位極人臣

強まる習氏一者独裁体制

5年に一度の共産党大会で、中国の習近平主席は、最高指導部7人のうち、最多の人数を確保、李克強首相の共産主義青年団や江沢民氏の上海閥を圧倒しました。さらに毛沢東氏、小平氏以来初めて自らの名前を冠し政治思想を党規約に盛り込むなど「核心」(別格指導者)であることを印象付けました。ライバルの李克強首相に明確な差をつけ、共産党一党独裁を超えて、習氏による一者独裁の色が強まっています。

確かに、過去5年間の習氏の業績は否定できません。通貨下落リスクなど残るものの、今年の経済成長率は目標である6.5%を軽く上回りそうで、高度成長期から安定成長期へスムースに移行しているようにみえます。また南シナ海、東シナ海への海洋進出を果たし、腐敗撲滅キャンペーンも大衆の支持を得ています。

習氏は1953年6月15日生まれということですから、九星気学では二黒土星という星になります。この星は晩成型で、41歳を超えたあたりから力を発揮しだします。どちらかといえば地味で、トップというよりは参謀向きですが、このブログで取り上げた中には、黒田東彦日銀総裁、河野太郎外相、永守重信・日本電産社長などがいます。

今年の二黒土星は「強勢運」(勇気と信念でチャンスに恵まれる時)に入り、非常に強い運勢と言えます。神宮館暦によれば「良きアイデアや企画事に成果が見られる年」とあります。自らの運勢好転の波に乗って14億人のトップに上り詰めたと言えるでしょう。

来年は李首相、失脚の可能性も

ここでライバルの李首相について見てみましょう。李氏は1955年7月1日生まれですので九紫火星です。トランプ米大統領と同じ星で、今年は「福徳運」(誠意と熱心さで万事が好調の時)で、必ずしも習氏に劣りません。

しかし実際には、今回の共産党大会で、習氏は李氏に大差をつけることに成功しました。来年はこの差はさらに広がりそうです。

習氏の二黒土星は来年は「嬉楽運」(人脈を強化し、足元を固める時)に入ります。今年の「強勢運」ほど強くはありませんが、良い運勢と言えるでしょう。一方、李氏は今年の「福徳運」から「調整運」(物事を冷静に判断し、調整すべき時)に入り、運気の下振れは避けられないとみられます。つまり来年に入ると、習氏と李氏の差はより明確になりそうなのです。李首相の失脚という事態も否定できません。

再来年からの3年間が勝負

このように、毛沢東氏や小平氏のような歴史上の人物に並ぶ地位を獲得した習氏ですが、この地位が永続するものなのでしょうか。いかに位人臣を極めた人物であろうとも、自らの寿命と九星気学が示す運勢のサイクルからは逃れられません。中国を統一し、初の皇帝となった秦の始皇帝も、不老不死の薬を求めて日本にまで家臣を派遣したと言われますが、この世を去るときはあっけないものでした。また当時、圧倒的な軍事力を誇った秦も、始皇帝の死後ほどなく滅んでいます。驕れるものは久しからず。

習氏の運勢ですが、来年までは良いのですが、再来年からの3年間は試練の時期となります。再来年は「改革運」(無駄と無理に注意する時)となり、運気に陰りが見えてきます。その次の年は「評価運」。前半は好調ですが、後半は不安定になりがちです。その翌年は「停滞運」、人生の9年サイクルで「どん底」の年回りに入ります。

今回のトップ7人の人事では、習氏の後継者となりそうな人物は見あたりません。ということは、習氏は14億人の民の頂点に半永久的に留まるという強い願望を持っているようにも見えます。その夢が実現するのか、始皇帝のように意外にあっけない終焉を迎えるのか、再来年からの3年間が勝負となります。

※位極人臣:くらい、じんしんをきわむ。意味は「臣としての最上の位につく」。

二黒土星の人とは:1917年、1926年、1935年、1944年、1953年、1962年、1971年、1980年、1989年、1998年、2007年、2016年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。

九星気学について