平井新会長(左)の助言も重要に

今年は八方塞がり、焦りは禁物


ソニー(6758)は、4月1日付けで平井一夫社長兼CEOが会長に就任し、吉田憲一郎副社長が社長兼CEOに昇格する人事を発表しました。

ソニーは18年3月期の純利益が4800億円と、過去最高を更新するとの見通しを発表していますが、報道によれば、復活したソニーの足元を固める役割が吉田新社長には期待されているようです。

しかしながら、九星気学的にみると、吉田新社長は今年は相当に苦戦することが予想されます。吉田氏は1959年10月20日生まれですので、九星気学では五黄土星という星になります。この星は晩成型の星で、リーダーシップに恵まれており政治家にも向いています。同じ星に小泉純一郎元総理、ジャーナリストの池上彰氏、横綱の稀勢の里関などがいます。反面、客観的に物事を判断することが苦手の人が多いと感じます。

今年(節分以後)の五黄土星は「停滞運」(不測の事態が多く、ツイていない時)に入ります。九星気学でみると9年に一度の最衰運の時期です。この時期は、健康面、仕事面、対人関係など、すべての面で要注意です。物事が思うようには進まず、焦ることも多いでしょう。

焦りが出てくると、人間、新たな試みに挑戦したり、一発逆転の秘策に賭けてみたくなるものですが、それは禁物です。停滞運における、新たなトライアルは事態を打開しないばかりか、むしろ傷を深めることが多いのです。神宮館暦でも「無理に進むと、足をすくわれてしまう」と警告しています。

ですので、現状維持を心掛けて無理なことはしないことがベストなのですが、五黄土星という星は、この「待ち」が大の苦手という人が多いようです。思ったように仕事が進まず焦りがでてくると、どうしても一発逆転の秘策に打って出ようとする傾向が強いので心配です。

しかし、この停滞運も来年の節分あたりまでで、長く続くわけではありません。来年は「整備運」(基本を守り、信用第一に動くべき時)に入り、運気が安定してきます。そして再来年は「躍動運」(積極的に努力して希望が叶う時)に入り、運気が上昇してきます。ですので、それまでじっと吉田氏が我慢できるか否か-が勝負と言えます。

もっとも、この停滞運、悪いことばかりではありません。来年以後の運気の安定、再来年の飛躍を目指すべく、その準備のための勉強をするには非常に良い時期なのです。この停滞運を否定的に考えずに「人生の充電の時期」と割りきって、地道な勉強を積んでいけば、来年、再来年の運気改善の時期には、より大きな飛躍が期待できそうです。

気学的には若返り人事

今回の社長交代劇では、新社長の吉田氏が平井氏より一歳年長なので「若返りに逆公行する」という懸念も一部ではあるようです。しかし九星気学的には、今回の人事はやはり若返りと考えられます。

平井氏は1960年12月22日生まれですので四緑木星という星になります。この星は温厚な方が多いという印象があります。同じ星に橋下徹元大阪府知事、野田聖子総務相などがいます。

四緑木星は早熟型で、20歳台から力を発揮します。しかしスタートの時期が他の星(土星や金星など)より早いこともあり、息切れも比較的早い時期にきます。一方、吉田氏の五黄土星が力を発揮しだすのは40歳台という比較的遅い時期になってからですが、これまで体力を温存してきたこともあり、息切れも遅くなります。

ですので、20歳台、30歳台の若い時期には、土星、金星という晩成型の星は、木星にはどうしても敵いません。しかし60歳を過ぎると立場は逆転して、四緑木星は息切れがちになる一方、五黄土星には十分に余力があります。体力が弱まりつつある平井氏から、体力を温存してきた吉田氏へのバトンタッチは、九星気学的に言えば「若返り」であり、合理的な行動とみることができるのです。

平井氏は代表権の無い会長となりますが、自らの役割を「補佐」と規定しているようですが、賢明な判断と言えるでしょう。これは指揮系統が複雑になって会社が混乱するという懸念が無くなるというだであけではありません。平井氏がいつまでも第一線で陣頭指揮を取ろうとすれば、むしろ会社の運気を落とす可能性があるからです。

というのは四緑木星は今年は「評価運」(努力の花が咲くが、後半が不安定な時)に入ります。文字通り年の後半は注意が必要です。また来年は「停滞運」と、9年に一度の最衰運の時期になります。こうした時期に、あまりアクティブに動くことはお勧めできません。笑顔で「(自分は)あくまでも補佐」と、新社長を立てつつ、自分は一歩退くという度量の大きさ。これも四緑木星の魅力の一つでしょう。

繰り返しになりますが、吉田新社長にとって今年は、眉間のしわが一段と深くなるような苦しい時期になる可能性があります。しかし、四緑木星のおおらかさを持つ平井新会長の親身の助言があれば、苦しい年もどうにかしのいでいけるのではないでしょうか。来年以後の吉田氏の活躍に期待したいと思います。

五黄土星の人とは:1923年、1932年、1941年、1950年、1959年、1968年、1977年、1986年、1995年、2004年、2013年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。

四緑木星の人とは:1924年、1933年、1942年、1951年、1960年、1969年、1978年、1987年、1996年、2005年、2014年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。

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