安倍晋三元総理が暗殺されてから1年あまりが経過しました。ところが安倍派内では、元総理の存在が大き過ぎたせいなのか、後継者が未だに決まっていません。
今のところ、萩生田光一氏、松野博一氏、西村康稔氏、高木毅氏、世耕弘成氏という幹部5人が有力候補として名を連ねています(いわゆる安倍派五人衆)。
当面は5人の集団指導体制ということになるかもしれませんが、時間の経過とともに一人の有力者に収れんされていくのが通例となっています。
ちょっと古い話ですが、1960年代のフルシチョフ首相失脚後のソビエト連邦(現ロシア)では、共産党書記長がブレジネフ氏、最高会議幹部会議長がポドゴルヌイ氏、首相がコスイギン氏という3人の集団指導でスタートしましたが、権力闘争を経て、最後にはブレジネフ氏独裁という様相になってしまいました。
また100人という自民党内で最大派閥のことですので、今後分裂する可能性も否定できません。
90年代初期の話ですが、竹下登総理がリクルート事件で失脚した後、自民党内最大派閥だった竹下派は、羽田孜、小沢一郎、渡部恒三、奥田敬和、橋本龍太郎、梶山清六、小渕恵三といういわゆる「7奉行」による集団指導体制に移行しました。
しかし政策の違いや内部抗争で、羽田、小沢、渡部、奥田の4氏が新生党を設立して自民党を離れました。この事件は単なる派閥分裂にとどまらず、自民党が下野するという事態に至りました。派閥が大きすぎたことが仇になった印象です。
こうした過去の事例を振り返れば、今後の安倍派の後継者選びから目が離せないのも当然と言えます。
では今後、誰が後継者となり、総理にまで上り詰める可能性があるのかについて気学の観点から見ていきたいと思います。
各人の気学上の星は以下のようになっています。
高木毅 1956年1月16日生 九紫火星
松野博一 62年9月13日生 二黒土星
西村康稔 62年10月15日生 二黒土星
萩生田光一 63年8月31日生 一白水星
世耕弘成 62年11月9日生 二黒土星
二黒土星の数が多いのが目立ちます。この星は40歳代から頭角を現す晩成型の星で、地味ながら手堅い仕事をするということで信頼を得る星です。中国の習近平主席、黒田東彦前日銀総裁、河野太郎デジタル担当相などがこの星です。
しかし、この星はあまり政治家には向いていないようです。下の表でも分かるように、総理の在任期間のベスト10を見てみると、ほぼ一白水星、五黄土星、九紫火星に独占されており、二黒土星は一人もいません。
残るのは九紫火星の高木氏、一白水星の萩生田氏で、ともに30歳代から力を発揮し始めるという点で、二黒土星よりも早咲きの星ですが、政治家向けの星といえます。
在任期間ベスト10を見ると、九紫火星には昭和の高度成長期をリードした佐藤栄作氏、省庁再編など平成の行政改革を進めた橋本龍太郎氏がいます。
一方、一白水星をみると、在任期間第一位の安倍晋三氏、国鉄民営化など昭和の行政改革を推進した中曽根康弘氏、日本列島改造論の田中角栄氏など錚々たる顔ぶれです。
九紫火星の高木氏と一白水星の萩生田氏が、他の3人よりも政治家の資質としては有利と見られますが、足元の状況はけして甘くありません。
高木氏の九紫火星ですが、今年一杯(24年の節分あたりまで)は「停滞運」(不測の事態が多くツイていない時期)となっています。気学の9年周期では最も衰運の時期なので、健康、仕事、家庭、人間関係などあらゆる点でトラブルに注意です。
萩生田氏の一白水星は昨年が停滞運で、今年は「整備運」(基本を守り信用第一に動くべき時期)に入っています。最悪期は脱した形になっていますが、まだ所謂「病み上がり」に近い状態ですので、油断は禁物です。
星の相性をみると高木氏の九紫火星と萩生田氏の一白水星は基本的には相性が良くありません(年齢や経験を重ねて、こうしたハンデを克服することは可能です)。
他の3人の二黒土星とは高木氏の九紫火星は基本的に相性が良いのですが、萩生田氏の一白水星とは良くありません。
こうした点を考えると、二黒土星の3人の支援を受けやすい九紫火星の高木氏の方が、萩生田氏よりも安倍氏の後継者として有利な立場にあると言えるかもしれません。停滞運にある今年をなんとかやり過ごせば、その後の3年間は運気上昇の気流に入ります。
尚、萩生田氏については昨年末にブログを書いています。御笑覧頂ければ幸いです。
九紫火星の人とは:1919年、1928年、1937年、1946年、1955年、1964年、1973年、1982年、1991年、2000年、2009年の各年の立春以後、翌年の節分までに生まれた人。
一白水星の人とは:1918年、1927年、1936年、1945年、1954年、1963年、1972年、1981年、1990年、1999年、2008年、2017年の各年の立春以後、翌年の節分までに生まれた人。
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