10月27日の衆議院総選挙で最も注目を集めた選挙区の一つに和歌山2区があります。和歌山は有力政治家である二階俊博氏が長年にわたり支配したことから二階王国とも言われました。

今回の選挙では引退した二階氏に代わり出馬した三男の伸康氏と、自民党を離党した世耕弘成氏との事実上の一騎打ちとなりました。

結果、自民党の公認を受けた伸康氏を世耕氏が打ち破り、長年の念願であった衆議院議員の座を勝ち取りました。

世耕氏は1962年11月9日生まれですので、九星気学では二黒土星という星になります。

この星は40歳代から地力を発揮する晩成型の星で、地味ながら包容力があり、任された仕事をしっかりやるという印象があります。

日本保守党の有本香事務総長、河野太郎元デジタル大臣、今回選挙では裏金議員とされ無所属での出馬となった西村康稔氏、ニデック創業者の永守重信氏などが同じ星です。

世耕氏は今年春に西村氏や萩生田光一氏らとともに裏金議員とされましたが、その中でも離党勧告という最も厳しい処分を受けました。この時点で、政治家としての世耕は「終わった」と感じた方も多かったことでしょう。

しかし運命とは分からないもので、この重い処分が世耕氏に逆にフリーハンドを与えることになりました。無所属となった世耕氏が、誰憚ることもなく和歌山2区で出馬することが可能になったのです。

かつての同僚である二階俊博氏からは裏切り者のように言われましたが、自民党を離れた身でもあり、あれこれ言われる筋合いは最早ありません。

もし世耕氏への処分が離党勧告ではなく、西村氏らと同様の「公認無し」という軽い処分であったならば、党の公認を受けた伸康氏が出馬する和歌山二区からの出馬は到底無理だったでしょう。

世耕氏はこの千載一遇のチャンスを生かして見事に当選、参議院から念願の衆議院への鞍替えを果たしました。

ところで、この世耕氏のツキはどこから来ているのでしょうか。彼の二黒土星という星の今年の運勢ですが「福徳運」(誠意と熱心さで万事が好調の時期)に当たっていました。この年は九星気学の9年周期でも最も強運の時期に当たります。

世耕氏が、離党勧告という非常な逆境にありながらも、それを逆手にとって長年の念願を果たしたことについては、福徳運という年回りが大いに影響したと考えられます。

同じ星の西村氏も公認無しという逆境からの出馬でしたが、再選を果たしました。また今回の選挙で、初挑戦にも関わらず3議席を獲得して国政政党と認定された日本保守党についても、事務総長の有本氏の今年の強運が大きく寄与したと思われます。

世耕氏の強運はこれだけに留まりません。非公認ながらも今回の選挙で再選を果たした西村氏や萩生田氏とともに、自民党から衆議院会派入りを要請されたのです。

石破政権にすれば、今回の惨敗の傷を少しでも小さくしたいという意図なのでしょう。これは同時に、今回の世耕氏の出馬を自民党が公認したとも言えます。今後、世耕氏の党内での発言力も以前よりも強まる可能性すらあります。

逆境を逆手にとって、強運を見事に生かし切った世耕氏ですが、このずば抜けた強運もそう長く続くものではありません。来年(立春以後)の二黒土星は「調整運」(物事を冷静に判断し調整すべき時期)に入ります。

さほど運の悪い時期ではありませんが、今年のような非常な強運は薄れ、減速感を感じることもあるでしょう。今年の強運が続いているとして無理押しをすれば、思わぬ躓きありそうなので要注意です。

二黒土星の人とは:1917年、1926年、1935年、1944年、1953年、1962年、1971年、1980年、1989年、1998年、2007年、2016年の各年の立春以後、翌年の節分までに生まれた人。

九星気学について