9月28日の自民党総裁選挙では石破茂氏が5度目の挑戦で総裁の座を手にしました。この結果にも驚きましたが、もうひとつの驚きが河野太郎氏の凋落ぶりです。

前回の2021年の総裁選挙では、第一次投票で255票をとり、トップの岸田文雄氏に1票差と肉薄しました。ところが今回の第一次投票での獲得票数は30票(1位の高市早苗氏は181票)で9人の候補中8位に留まりました。

河野氏は1963年1月10日生まれですので九星気学では二黒土星という星になります。この星は40歳を過ぎて力を出し始める遅咲きの星です。

どちらかと言えば主役よりも補佐役向きの星ですが、地味ながらも確実な仕事をするという定評があります。中国の習近平主席、ニデック創業者の永守重信氏、日本保守党の有本香氏などがこの星です。

河野氏の二黒土星は今年は「福徳運」(誠意と熱心さで万事が好調の時期)に入っていました。九星気学の9年周期の中で最も強運の時期と言えます。

それだけにResearch76では今年1月に「今年の運勢:河野太郎氏、総理への道、チャンス到来か!?」とのブログを書き、河野氏の総裁選挙での健闘を予想していました。

大手マスコミでも河野氏を含む有力候補3人を「小石河」(他の2人は石破氏と小泉進次郎氏)と持ち上げていました。

それだけに、今回の惨敗ぶりは全く予想外でした。結果として今年の強運を生かすことができなかったということです。何故こんなことになってしまったのでしょうか。

河野氏は外務大臣、防衛大臣、ワクチン接種推進担当大臣、デジタル大臣などの重職を歴任しました。総理総裁候補として輝かしい経歴です。

特に外相就任時には中国に対しても歯に衣着せぬ物言いができる人物―と高く評価されました。またX(ツイッター)でのフォロワー数も多く、発信力・突破力があると賞賛されていました。

しかし重職を歴任するうちに、河野氏の関連企業が中国と強い結びつきがあることが明らかになるなど、徐々にメッキが剥がれてきました。

コロナワクチンの推進については、2億人に打ったが死者はいない-などとワクチン接種を煽っておききながら、実際にワクチンの副作用で多くの死者が出たことが明らかになると、自分はワクチンの「運び屋」と称して、大臣としての責任を回避してしまいました。

もし彼がワクチンの副作用について自分の責任を認めていたら、世間の目も大分違ったものになったと思われます。

またマイナ保険証の推進や紙の保険証の廃止についても、国民や現場の声を全く聞こうとしない姿勢が明らかになりました。フォロワー数の多いX上でも、自分と異なる意見の人に対して容赦なく「ブロック」を行使、国会審議でも答えたくない質問に対しては躊躇なく「所管外」として答弁拒否を連発しました。

こうした姿勢が明らかになると、これまでの発信力・突破力があるとの評価も「実は単なるわがまま者」「世間知らずのボンボン」という評価に変化してきました。

名門と言われる家系の3代目を揶揄する言葉で「売り家と唐様で書く3代目」と言う言葉がありますが、河野氏も結局その一人にすぎなかったということでしょうか。

今回の河野氏の教訓は、いくら強運の追い風が吹いても、本人が驕り高ぶって、誠実かつ地道な努力を放棄するならば、道は開けない-ということなのかもしれません。奢れる平家は久しからず―。

二黒土星の人とは:1917年、1926年、1935年、1944年、1953年、1962年、1971年、1980年、1989年、1998年、2007年、2016年の各年の立春以後、翌年の節分までに生まれた人。

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