バイデン米大統領が今年秋に予定される大統領選挙への出馬を見送ると発表、後任にカマラ・ハリス副大統領を指名しました。

後継として有力視されていたカリフォルニア知事のギャビン・ニューサム氏は出馬を見送る意向のようです。「ビッグマイク」との異名をもつミシェル・オバマ氏の出馬の可能性もくすぶっているようですが、このままいけば民主党側の大統領候補はハリス氏ということになります。

ハリス氏は1964年10月20日生まれですので、九星気学では九紫火星という星になります。この星は自己主張が強く独善的な面もありますが、リーダーシップに恵まれています。闘争にも強く、政治家向きの星で、代表例としては共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏、ビートたけし氏、イチロー氏など世間的な成功者が多くみられます。

ハリス氏の九紫火星は今年は整備運(基本を守り信用第一に動くべき時期)、来年は躍動運(積極的に努力して希望が叶う時期)と上昇機運にあります。

しかしハリス氏の政治家としての評判はバイデン氏以上に芳しくありません。その要因として、これといった実績も無いこと、記者たちの質問を笑ってはぐらかす傾向があることなどがよく挙げられているようです。

政治家が質問に正面から応えず、はぐらかすというのは良くあることですが、それが非常に上手かったのがロナルドレーガン元大統領(1981年―88年)です。

1984年に大統領選挙があり、現職のレーガン氏と民主党のウォルター・モンデール氏(ジミー・カーター政権での副大統領、後に駐日大使に就任)の間でデベイトがありました。私は当時、米国にいたので、そのシーンは印象的でした。

当時、レーガン氏は73歳。今のバイデン・トランプ両氏よりも年下ですが、それでも高齢による大統領執務への悪影響は無いのか-などの懸念が噂されていました。

デベイトでもモンデール氏はレーガン氏の高齢問題を格好の攻撃材料として持ち出しました。それに対するレーガン氏の答が秀逸でした。詳細は良く覚えていないのですが「私はモンデール氏の経験不足を問題視するつもりはない」と、自らの高齢を逆手にとって切り返したのです。

レーガン氏の受け答えは大いに聴衆にアピールしました。モンデール自身氏も笑いながら、それ以上追及することはありませんでした。これほど当意即妙の受け答えができる人に対して、高齢を問題にする必要はないと聴衆もモンデール氏も感じたのかもしれません。

レーガン氏にしてみれば、事前に年齢が問題視されると想定して準備していたことも十分に考えられますが、ユーモアあふれる受け答えで、一部で言われていた高齢によるボケ疑惑(当時、認知症という言葉はまだありませんでした)をみごとに粉砕し再選を果たしたのです。

既に「ほぼトラ」と言われるほどに、トランプ氏の次期大統領就任が確実視されているようですが、ハリス氏がお得意のはぐらかしでどこまでトランプ氏に迫れるのか注目です。

ちなみに84年の大統領選挙では、モンデール氏は副大統領候補に女性のジェラルディン・フェラロ氏を立て評判を呼びましたが、レーガン・ブッシュ(シニア)コンビが50州のうち49を制し、圧倒的大差で勝利しました。

九紫火星の人とは:1919年、1928年、1937年、1946年、1955年、1964年、1973年、1982年、1991年、2000年、2009年の各年の立春以後、翌年の節分までに生まれた人。

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