ポスト安倍の総裁選挙ですが、次期総裁はとりあえず、安倍氏の残した来年9月までの任期を務めることになります。
菅義偉官房長官が出馬を決めたという報道があり、一気に本命に躍り出た印象です。
これまでの自民党総裁人事をみると、長期政権が続いた後は、その後の政権は比較的短命に終わっています。歴代2位の在任期間を誇る佐藤栄作内閣の後は、田中角栄氏、三木武夫氏、福田赳夫氏、大平正芳氏と、それぞれ2年程度の短命内閣が続きました。
その後、在任期間5位の中曽根康弘内閣の後も、1年程度の短命内閣が(2つの非自民党内閣を含めて)連続します。
その後、在任期間歴代4位の小泉純一郎内閣の後も非自民も含めて1年程度の短命内閣が連続しています。
歴代1位の在任期間を誇る安倍晋三内閣の後も、これまでと同じパターンをたどるのか、興味深いところです。
結論を先に言えば、Research76では、今回も同じパターンをたどると見ています。これは上で指摘したようなジンクスとは別に、景気循環という面でも説明ができます。
まず、なぜ長期政権が生まれるかという点ですが、安倍政権や佐藤政権など、これまでの長期政権を見ると、いずれも長期の好景気の時期に当たっていることが多いのです。
有権者が政権を評価する場合には、その時点の景気状況を重視する傾向があるので、景気好調が高い内閣支持率に結び付きやすくなります。
佐藤政権は、まさに戦後最長(当時)の「いざなぎ景気」の真っただ中にありました。中曽根政権も第二次オイルショックの後の停滞から徐々に立ち直る時期に当たっています。
小泉政権を支えたのは戦後最長の「いざなみ景気(73カ月)」でした。安倍政権も長期の景気拡大(2012年11月から71カ月)の追い風がありました。
しかし、経済というものは長期の安定が続いた場合、その「ひずみ」が必ず後に出てくるものです。いざなぎ景気は、狂乱物価と第一次オイルショックによって、そして、いざなみ景気はリーマンショックによって潰えました。
直近の安倍政権を支えた長期の好景気も、米中対立とコロナ禍によって終わりつつあります。
このように、長期の景気好調に支えられた政権の後の内閣は、好景気の「ひずみ」処理に追われることになり、どうしても短命になりがちです。
そういう経済学的な視点とは別に、有力候補者の九星気学における星をみても、長期政権となりそうな顔が見当たりません。
菅氏(1948年12月6日生まれ)、岸田文雄氏(1957年7月29日生まれ)、石破茂氏(1957年2月4日生まれ)ですが、いずれも七赤金星という星になります。
このブログでも再三指摘してきましたが、七赤金星という星はカネに縁があり、億万長者の多い星です。投資家のウォーレン・バフェット氏、ソフトバンクの孫正義氏、ZOZO創業者の前澤友作は揃ってこの星です。
しかしながら、政治家としては、特に総理大臣にはあまり向いていないようです。
上の表は、戦後の総理大臣の在任期間のランキングの上位10人ですが、一白水星が3人、五黄土星が3人、九紫火星が3人と、この3つの星にほぼ独占されています。
歴代総理の中で、七赤金星での最高位は在位11位の海部俊樹氏です。
11位と、比較的健闘しているように見えますが、海部政権はほとんど竹下登元総理、金丸信氏、小沢一郎氏という竹下派の3氏に牛耳られており、海部氏は総理とはいえ、お飾りにすぎない存在でした。
独自色を出そうとして衆議院の「解散」をチラつかせた途端に、親分3人に切り捨てられてしましました。
また河野太郎氏は1963年1月10日生まれですので、二黒土星という星です。
ベスト10をみると、同じ星の池田隼人氏が6位に入っていますので、七赤金星よりは政治家向きと言えるかもしれませんが、一白水星、五黄土星、九紫火星の3つの星には及びません。
また二黒土星は今年の後半から運気が不安定化しやすく、来年は「停滞運」(不測の事態が多く、ツイていない時期)に入ります。気学の9年周期で最も衰運の時期です。
ですので、あまり焦って総理になったとしても、来年はあまりツキは無さそうなので、次回を待つのが上策でしょう。
こうして現在名前が挙がっている候補者をみると、いずれも短命政権に終わりそうな印象です。
では次の長期政権を担いそうなのは誰かということですが、茂木敏充外相、小泉進次郎環境大臣が有望と見ています。
茂木氏の星は九紫火星と政治家向きの星です。米国のトランプ大統領がこの星で、やや独善的印象が強いのですが、リーダーシップに優れ、喧嘩にも強いのが特徴です。
一方の小泉氏は一白水星、これも在任期間歴代1位の安倍総理と同じ星で、他にもベスト10には「列島改造論」の田中角栄氏、「行政改革」の中曽根康弘氏がいます。
また女性議員で政治家向きと見られる一白水星、五黄土星、九紫火星の星は誰かというと、稲田朋美氏と片山さつき氏(ともに五黄土星)、三原じゅん子氏(九紫火星)などがいます。
これらの議員の名前が総裁候補として表舞台に出てくるのは、いったい何時になるのか―興味深いところです。
七赤金星の人とは:1921年、1930年、1939年、1948年、1957年、1966年、1975年、1984年、1993年、2002年、2011年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。
二黒土星の人とは:1917年、1926年、1935年、1944年、1953年、1962年、1971年、1980年、1989年、1998年、2007年、2016年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。