安倍首相が退陣を表明し、菅義偉氏、岸田文雄氏、石破茂氏が自民党総裁のポストをかけて立候補しています。しかし自民党内の主要派閥は菅氏推しを決定、菅氏の総裁就任が既定路線となっているようです。

さらに、菅氏が自民党総裁、そして内閣総理大臣就任まで先読みして、その先-つまり早期の衆議院の解散・総選挙があるのか―の議論まで出ています。

Research76では、早期の解散総選挙は大いにあり得ると見ます。既に自民党有力者の中にもそれを期待する声があがっていますし、マスコミのアンケートでも菅人気は非常に高く、今が与党にとってチャンスと見ておかしくありません。

加えて自民党内では、麻生内閣の失敗も記憶に新しいと考えられます。

2008年9月に発足した麻生太郎内閣は当初、麻生氏の明るいざっくばらんな性格もあり、非常に高い支持率がありました。そこで早期の解散・総選挙を予想する向きもありました。

しかし麻生氏は、やはり08年9月に起こったリーマンショックへの対応を優先して、解散に踏み切りませんでした。また自身への支持率の高さから、いつでも解散できると読んでいたのかもしれません。

この決断は一見立派なものに見えますが、政権を維持し、政治・社会を安定させるという観点でみれば、失敗だったと断ぜざるをえません。

その後、景気は急速に悪化、解散どころではなくなり、支持率もそれにつれて低下、最後には民主党に政権を明け渡さざるを得なくなりました。「早期に解散していれば-」と悔しい思いをした自民党関係者は多かったことでしょう。

今回も状況はそれに似たものがあります。米中対立、そしてコロナ禍で景気は悪化しつつあります。

確かに暗い面ばかりではありません。景気の一致指標である鉱工業生産は5月に底をつけ、その後、足元では徐々に戻しつつあります。

しかし失業率や有効求人倍率は悪化の一途をたどっています。こうしたデータの悪化は、日本経済の65%程度を占める消費支出に対して、大きなマイナス要因になります。

つまり先行きの経済は非常に不透明で、今後さらに悪化する可能性もありうるということです。であれば、麻生内閣の二の舞を避けたいと菅氏が考えたとしても至極当然と思われます。

ところで、菅氏の九星気学での星が七赤金星であることは以前のブログでも紹介しました。菅氏が総裁なら、総選挙の次期としては11月がベストと見ます。

選挙やスポーツのような一発勝負では、年の運勢よりも、月の運勢が影響することが多いのですが、11月は菅氏の七赤金星にとって「福徳運」(誠意と熱心さで万事が好調の時期)という非常に強運の時期に当たります。

セカンドベストの次期としては来年1月が考えられます。この月も「強勢運」(勇気と信念でチャンスに恵まれる時期)に当たっており、強い運勢です。

ただ「そんなに長く待てない-」ということであれば、今年10月も悪くありません。「躍動運」(積極的に努力して希望が叶う時期)に当たります。11月の福徳運ほど強運ではありませんが、上昇気流にある時期です。

菅氏がいつ解散・総選挙に踏み切るのか―。今後の動向を注視したいと思います。

七赤金星の人とは:1921年、1930年、1939年、1948年、1957年、1966年、1975年、1984年、1993年、2002年、2011年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。

九星気学について