参議院選挙が迫ってきました。自民、公明に支えられた岸田政権がその座を維持できるのか否か?-非常に注目されます。
あくまでResearch76の個人的な見解なのですが、今回の選挙で岸田政権は終わるのではないかと感じています。これは岸田総理の運気などからの判断ではなく、単に私の個人的な感想、山カンに過ぎません。
なぜそう感じるのかと言えば、政権にまつわる国民の「しらけ」や無力感を非常に強く感じるからです。
テレビや新聞などの既存メディアによれば、岸田政権への支持率は7割近いということです。その通りであれば、こうした「しらけ」を感じているのは私一人だけかもしれません。
岸田政権の前には、かつての政権が直面したものよりずっと多くの難題が山積しているように見えます。
バブル崩壊後何十年にもわたってほぼ賃金が上がっていない、資源高や円安によるほぼ40年ぶりの物価上昇が続いている、世界環境の急変から憲法改正を含めて安全保障上の対策が急務と多くの国民が感じている、コロナ禍でのワクチン接種や経済対策への莫大な出費を補填するため、いずれ増税のではないかとの懸念がある、留学生には非常な優遇を与える一方で、国内の学生には非常にシビアな環境である―などです。
こうした問題に対して、岸田政権に(高い支持率に安心しきっているのか)危機感があまり感じられないことが、国民の「しらけ」や無力感を大きくしているように感じます。
私がこれほど強く国民の「しらけ」を感じるのは1998年の参議院選挙以来です。
当時は橋本龍太郎政権でした。今思い返しても何故あれほどしらけを感じたのか-残念ながら記憶が定かではないのですが、当時の国民の無力感が同年の参議院選挙での自民党の敗北につながり、橋本総理は退陣に追い込まれました。
当時を思い起こすと1997年に消費税率の引上げがありました。その後に大不況となり、山一證券などいくつかの大手金融機関が破綻しました。また選挙の直前には、ロッキード事件で有罪となった人物を閣僚に迎い入れたということがありました。
こうしたことが当時の「しらけ」や無力感の原因だったかもしれません。あくまで個人的見解ですが、今の岸田政権を取り巻く雰囲気に、当時と同様のものを感じるのです。
ところで、寅年には政変が多いというジンクスがあります。1998年の橋本政権退陣もそうですが、2010年には菅直人総理の民主党政権がやはり選挙で敗北、菅政権は少数与党という窮地に追い込まれました。
2009年の衆議院選挙では麻生太郎総理率いる自民党を破り、鳩山由紀夫総理による民主党内閣が発足しましたが、鳩山氏は自身のカネに関する疑惑から2010年に退陣に追い込まれました。これも「寅年の政変」のひとつと言えるかもしれません。
岸田政権の今後とは別に、今回の選挙でもう一つ注目したいのは、テレビや新聞という既存マスコミと、ツイッターなどのネットのどちらがより世論を正確に反映しているのか-という点です。
既存マスコミの調査では、岸田政権への支持率は70%近いものとなっています。実際にこの数字通りであれば、参議院選挙後も岸田政権は安泰と考えてよいでしょう。
しかし一方のツイッターでの調査では、岸田政権への不支持が9割近い数字になっているのです。既存マスコミとネットで全く逆の結果を示してわけです。
政権の今後、そして既存マスコミとネットの勝負、今回の参議院選挙に大いに注目したいと思います。