クリックして応援をお願いします

 

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗元総理の発言が炎上しています。

女性蔑視発言ということですが、この論点は既にマスコミでかなり取り上げられていますので、そちらにお任せします。ここでは、森元総理の発言はなぜかくも炎上してしまうのかについて考えてみたいと思います。

私が外資系通信社で経済記者として駆け出しのころ、初めて担当した閣僚が通商産業大臣(現経済産業大臣)でした。そして、その時の大臣が森氏だったのです。

森氏との出会いについては以前書きましたが、私は初めて担当した大臣が森氏でラッキーだったと思っています。

森氏は基本的には「おしゃべり」であり、そのために発言も取りやすく、記事の書きやすい人物でした(少なくとも私が担当していた頃は)。記者にとって口の重い相手ほど、困るものはありません。

ただ口が軽いということは、それだけ失言、舌禍の機会が増えることを意味します。加えて、ざっくばらんな性格で警戒心が少なく、そのために十分な考慮もなく発言するという傾向があったと思います。

Wikipediaをみると、森氏の失言例が多く取り上げられています。失言がこれほど多いのに、あまり失敗から学ばない。逆に言えば、失敗から学ばなくても総理にまで登りつめたということで、稀有な強運の持ち主と言えます。

彼を批判する記事を書いても、それを長く根に持つこともなく、別の機会に記者に会った時には、あまり過去の経緯にこだわらないという傾向もあったと思います。ただ、このやさしさがマスコミに付け込まれるということも事実です。

麻生太郎副総理・財務大臣も失言の多い人ですが、森氏ほど炎上が長期化することはありません。何が違うのかと言えば、森氏はやさしく、麻生氏は厳しいということがあると思います。

麻生氏は記者の不用意な質問には容赦なく反撃してきます。それだけに、マスコミの方も十分な覚悟と用意をして質問する必要があるわけです。

もっと厳しかったのが石原慎太郎元東京都知事です。彼を担当したことはありませんが、記者を「馬鹿もん!」と一喝する姿をテレビで見たのも二度や三度ではありません。

マスコミの本質は「強い者に対しては弱く、弱い者に対しては強くでる」です(嫌な性格ですね、笑)。けして弱者の立場に立つ正義の味方ではありません。

そういう体質ですので、相手が麻生氏、石原氏のように手強い相手の場合、失言があったとしても、炎上は長引きません。

ちなみに私が相対した政治家の中で一番怖かったのは橋本龍太郎元総理です。彼が通産大臣だった時代に担当しましたが、記者の不用意な発言、勉強不足を厳しく指摘するので、記者会見の時間も短めだったと記憶しています。橋本氏を「嫌なヤツだ」と思っていた記者は多かったと思います。

それに対して森氏にはそうした厳しさはなく、比較的記者の立場に立って、応答してくれていたと思います。彼自身、記者の経験があったことも影響しているのでしょう。

あまり怖くないということに加えて、森氏が「巨悪」でないことも、彼が叩かれる原因のひとつでしょう。マスコミは「正義の味方」のポーズはとりますが、けして巨悪を叩きません。反撃が怖いからです。

私の世代で巨悪と言えば、田中角栄元総理が筆頭に上げられます。角栄氏は現在では、遠大な構想を持つ決断力ある偉大な政治家として若い世代では評価が高いようですが、彼の現役時代には金権政治家として巨悪の代表のように言われたものです。

田中氏が総理の座を去る引き金になったのが立花隆氏(現在、NHKを叩いている立花孝志氏とは別人)が書いた「田中角栄研究-その金脈と人脈」という記事でした。角栄氏のファミリー企業による土地ころがしを書いたものです。

私はこの当時はまだ高校生だったのですが、後に先輩記者に聞いたところでは、角栄氏の土地ころがしについて、当時、多くの記者が既に知っていたということです。

しかし大手マスコミはそれを記事にしなかった。当時の角栄氏の勢いを考えれば、大手マスコミの首脳陣の多くも、角栄氏の金権にからめとられていたのかもしれません。

こうした背景もあり、角栄氏の悪行が一般に知られるのは、立花氏の記事が発表されるまで待たなければなりませんでした。

このように巨悪となってしまうと、大手マスコミも取り上げませんし、炎上しても長期化しません。しかし大手マスコミはあくまで「正義の味方、弱者の味方」という立場を取りたがるので、あまり強くない相手には徹底して強くでて、炎上させるという行動にでます。

このように考えてみると、森氏の発言が炎上しやすい要因として、彼の性格(口の軽さ、ざっくばらん過ぎる性格、慎重さの欠如など)に加えて、マスコミの「強い者に対しては弱く、弱い者に対しては強く」という性格が強く影響していると考えられます。

ところで森氏は1937年7月14日生まれですので、九星気学では九紫火星という星になります。決断力もリーダーシップもありますが、時に独善的な面もあります。その典型例がトランプ前米大統領です。森氏はトランプ氏に比べると、同じ星でもずいぶんと優しいな-という印象があります。

この九紫火星ですが、今年(立春以後)は「改革運」(無駄と無理に注意すべき時期)と、前年に比べて、やや要注意の年に入っています。

また月別の運をみると、1月から3月にかけての3カ月は下り坂の時期に入ります。森氏はこの下り坂の入り口でつまづいたと言えるかもしれません。

今後ですが、特に2月後半から3月にかけては細心の注意が必要です。3月は「停滞運」(不測の事態が多くツイていない時期)に入ります。9カ月サイクルで最も衰運の時期です。

ですので、森氏には、4月上旬あたりまでは、発言だけでなく、健康など多くの面で注意して頂き、東京五輪開催という重責を全うして頂きたいと思います。

九紫火星の人とは:1919年、1928年、1937年、1946年、1955年、1964年、1973年、1982年、1991年、2000年、2009年の各年の立春以後、翌年の節分までに生まれた人。

九星気学について

クリックして応援をお願いします