現在進行中のコロナ禍で世界経済全体に非常な下方圧力が掛かり、各国首脳とも非常な試練に直面しています。その中でも、特に苦境に直面していると感じるのがロシアのプーチン大統領です。
本日(5月7日)に大統領就任から20年を迎える「天才」政治家に何が起こっているのでしょうか。
IMFはロシアの今年のGDP予想を前年比プラス1.9%からマイナス5.5%へと大幅に下方修正しました。ひとつには、世界共通ですがコロナ禍の経済への悪影響が挙げられます。
もう一つ見逃せないのが、現状の原油価格の低迷です。コロナの影響による需要減退で、原油価格はかつてない低水準にあります。去る4月20には、ニューヨーク原油先物(WTI)は1バレルあたりマイナス37ドルと、前代未聞のマイナスとなりました。
週末ベースでみると、4月25日にはやや持ち直したものの16.9ドルと20ドル割れとなっています。昨年の同時期が63ドル程度でしたので9割程度の大幅下落となります。
またプーチン氏が大統領に就任した後をみても、20ドル割れは2001年後半から02年初旬以来となります。
この原油価格低迷はロシア経済への大きな下押し圧力となっています。JETRO(日本貿易振興機構)によれば、2018年のロシアの輸出品の64%(金額ベース)は原油、天然ガスなどの「燃料・エネルギー」となっており、サウジアラビアと匹敵するほどのモノカルチャー経済となっています。
その経済の大黒柱である原油がこれほどの値崩れを起こしているのですから、これがGDP予想引き下げの大きな要因の一つであることは明らかです。
ではプーチン氏にとって今年はどういう年なのでしょうか。
プーチン氏は1952年10月7日生まれですので、九星気学では三碧木星という星になります。20歳代の若い時期から頭角を現す早熟型の星であり、同じ星に小池百合子東京都知事、とんねるずの石橋貴明氏などがいます。
早熟型の星としては三碧木星と四緑木星がありますが、まわりに押し上げられる傾向のある四緑木星に比べると、三碧木星はあくまで自分が主役となって道を開いていくという印象があります。
プーチン大統領の三碧木製は今年(節分以後)は「停滞運」(不測の事態が多く、ツイていない時期)に入ります。気学の9年周期では最も衰運の年にあたります。ですので今年は、健康状態、仕事、人間関係などあらゆる分野で注意が必要です。
また月の運勢を見てみますと、3月がやはり「停滞運」となっています。最衰運の年の最衰運の月が3月だったわけです。苦境のほどがしのばれます。
しかしながら、4月以後は徐々に運勢が上向いていきます。6月には(月ベースで)「福徳運」(誠意と熱心さで万事が好調の時期)に入ります。今後、コロナ禍のメドがつくか、原油価格が持ち直すか-などの好転要因が期待できそうです。
また来年になれば、今年の「停滞運」を脱して、整備運(基本を守り、信用第一に動くべき時期)に入るので、安定感が増してくるとみられます。
というわけで、プーチン氏にとっては、まさに今現在が勝負時と言えるでしょう。ここを切り抜ければ、五選を目指すべく、2024年の大統領選挙を迎える可能性も視野に入ってきそうです。
私がかつて見てきた内外の政治家の中で「天才」と言える人物に田中角栄元総理がいます。角栄氏が総理になったのは1972年と、50年ほど前になりますが、最近は同氏の「日本列島改造論」などの功績を再評価する動きもあり、若い人にもファンが多いようです。
角栄氏は総理在任期間は2年程度にとどまりました。任期後半に起こったオイルショック、そして自身の土地ころがしなどのスキャンダルで辞任を余儀なくされました。
しかしその後、自民党外にありながら、田中派を最大派閥に拡大。その力をもって自身の意向に沿った他派閥の人材を総理に担ぐという手法で、大平内閣から中曽根内閣まで10年近くの間、権力を欲しいままにしました。
この手法は角栄氏の後継者である竹下元総理、小沢一郎氏にも受け継がれましたが、いずれもうまく機能せず、「天才」角栄氏にしてはじめて機能する手法だったことが後に証明されました。
大国ロシアの大統領職を、時に首相職も経験しつつ、20年にわたって維持してきた実績を考えれば、プーチン氏は、田中角栄氏を超える政治の天才と言えそうです。今後の氏の動向を注視していきたいと思います。
三碧木星の人とは:1916年、1925年、1934年、1943年、1952年、1961年、1970年、1979年、1988年、1997年、2006年、2015年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。
九星気学について