3月は主要4社揃って売上増
大手百貨店各社の3月の売上高の伸び率が発表されました。そごう・西武が前年比2.2%増、伊勢丹三越が同1.4%増、JFR(大丸・松坂屋)が同4.2%増、高島屋が同2.7%増と、4社そろっての増加となりました(図1)。
4社は、プラス要因として高額品需要が強かった、気温が高めに推移し春物衣料などの需要が強まった、インバウンド消費が強かったーなどを要因に挙げています。
この4社の数字を用いて、回帰式(末尾参照)で3月の全国百貨店売上(4月20日発表予定)を予想してみると、前年比プラス1.5%と試算され、2月の試算値(プラス0.4%)を上回ります(C1参照)。
しかし、実際の発表数値と、回帰式による推定値の間にはC1でも分かるようにギャップがあります。例えば、2月の売上は回帰式では前年比プラス0.4%と算出されましたが、実際の発表値はマイナス0.9%でした。
回帰式の予想は、このところ実際の発表数値を1.2ポイント程度上回っていいる(過去6カ月の平均)ので、その点を勘案し、Research76では3月の百貨店売上を前年比プラス0.3%程度と予想としておきます。ゼロ近傍だが、4カ月ぶりにプラスに転じるという予想です。
外国人向け売上のシェア、2015年以後で最高に
2月はインバウンド消費がやや盛り返しました。これには中国、アジアの旧正月の日取りも影響しているとみられます。旧正月は昨年は1月後半でしたが、今年は2月中旬でした。
百貨店協会によると、2月の外国人向け売上の売上全体に対するシェアは6.6%と、1月の5.5%を上回り、2015年以後では最高となりました(C2参照)。また外国人向け売上の伸びも前年比プラス38%程度と堅調に推移しました。
こうしたインバウンドの盛り返しは他の統計とも整合的です。中国からの訪日客数は2月は旧正月の追い風もあって前年比40.7%増加し、久しぶりに韓国からの訪日客数を上回りました。
今後のインバウンド消費ですが、強弱の要素が交錯して、読みにくい状況です。中国人訪日客の購買力に影響のある為替、株価をみてみると、対円では人民元は底打ち反転の兆しがあります。一方、上海総合指数は下落傾向が続いています(C3参照)。
※回帰式
全国百貨店売上の前年比変化率の予想=0.16*「そごう西武の売上の前年比変化率」+0.093*「伊勢丹三越の売上の前年比」+0.163*「JFRの売上の前年比」+0.443*「高島屋の売上の前年比」-0.862
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