大富豪に多い七赤金星

–今年もほぼ半分が過ぎました。「申酉騒ぐ」と相場の世界で言われたように、今年前半の市場は大揺れとなりました。

–個人的には、十二支よりも気になることがあります。今年が七赤金星の人にとって要注意の年に当たっていることです。気学によれば、人間は生まれ年によって、一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木製、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星の9つの星に分類されます。

–人の運勢は4年上がって、5年下がるという9年周期とされており、下降トレンドに入って5年目が周期の中でもっとも運勢が低調な年、いわば「厄年」。この年には思わぬ不運に遭遇したり、運勢が停滞することが多いとされます。年齢でみれば32歳、41歳、50歳、59歳、68歳、77歳、86歳がそれに当たります。

–では七赤金星の人とはどういう人か?1930年の節分から31年の節分の間に生まれた人であり、以後、1939年、1948年、1957年、1966年、1975年、1984年の同時期生まれの人がそれに当たります。運勢としては比較的遅咲きであり「金星」と付いているだけにカネに縁のある人が多いのが特徴です。問題なのは、七赤金星に、世界経済に影響をもたらすような大富豪が多いということです。

–七赤金星の大富豪とは? 代表例をいえば、米国の大富豪ウォーレン・バフェット氏(1930年8月30日生まれ)、ファンド王ジョージ・ソロス氏(1930年8月12日)、ソフトバンク総帥の孫正義氏(1957年8月11日)、多額納税者として有名な斎藤一人氏(1948年8月3日)など、錚々たる顔ぶれです。


ウォーレン・バフェット氏

–そうした大富豪が投資・経営で誤ることがあれば、スケールが破格なだけに、個人的な挫折・停滞に留まらず、世界市場にとってもかく乱要因になりかねません。高齢のバフェット、ソロスは健康面も要注意です。

財界でも大物経営者が退任

–孫氏については傘下のスプリントの問題が気になりますが、幸いなことに今のところこうした大富豪から悪いニュースは聞こえてきません。こうしてみると、気学を「単なる迷信」と言いたいところですが、そうもいかないようです。アップルコンピュータ—、日本マクドナルドで活躍し「プロ経営者」の名を欲しいままにした原田泳幸氏(1948年12月3日生まれ)はベネッセホールディングの経営を立て直すことができず、退任を発表しました。

–またスズキの鈴木修会長(1930年1月30日)は燃費不正測定問題の責任をとって兼務していたCEO職を退任しました。鈴木氏は厳密には八白土星に属しますが、誕生日が七赤金星に近いので、その影響を大きく受けたものと思われます。

ベッキー、田母神、舛添も

–経済界以外で同じ星の人を探してみると、まず注目されるのはベッキー氏(1984年3月6日)です。芸能界での輝かしいキャリアは不倫騒動で大きく傷ついてしまいました。また政界でも、田母神俊雄氏(1948年7月22日)も公職選挙法違反の疑いで逮捕されました。

–上記のバフェットやベッキーらに比べれば、かなりスケールが小さくなりますが東京都知事で政治資金問題で日々弁解に終始している舛添要一氏(1948年11月29日)も七赤金星です。

–では、こうした厄年においては、人はどう行動すべきなのでしょうか。暦によれば、新たな試みは一切せず、自然の流れに任すのがベストとされています。しかし人間、こうした厄年においては「このままではいけない」との焦りが強くなり、無理をしてしまうのも事実です。特に自分に自信のある人、成功体験の多い人ほど「禍を転じて福となす」とばかりに無理に頑張って、傷口を広げてしまう傾向があります。

–ベッキーの対処は見事でした。彼女の若さからすれば「私も騙された。私も犠牲者なのだ」との言い訳もできたと思いますが、すべて自分の非として認め一時完全に身をひきました。おそらくまわりに良いアドバイザーがいるのでしょう。早晩、必ず復活してくると思われます。

このままでは項羽と同じ運命に

–一方、舛添氏の対処法はまずかった。ベッキーと同じく非を潔くみとめて、速やかに身を引けば、前任者の猪瀬直樹氏のように復権の道も残されていたと思います。しかし、これだけ見苦しく頑張ってしまうと、かりに都知事の任期を全うできたとしても政治生命は完全に終わってしまいます。

–舛添氏ほどの人であれば、周りに助言をしてくれる人も多いと思うのですが、彼自身、頭の回転が早く弁も立つので、まわりの助言などを聴く耳をもたないのかもしれません。舛添氏を見ていると、最大の理解者だった范増にも見放されて四面楚歌となり、最後は劉邦の軍に囲まれて敗死していった項羽が思い出されます。

–上記の大富豪を含めて七赤金星の人は、2017年の節分以後の4年間、運勢の上昇期に入ります。焦る必要はありません。夜明け前は最も暗い–というだけの話です。苦しい局面もあるかもしれませんが、今年もこれまで同様、冷静な選択をして頂ければと思います。