どういう事象にもサイクルというものがあります。九星気学のサイクルは9で、9年ごと、9ケ月ごとのサイクルが見られます。

経済のサイクルでもいくつかのサイクルがあります。キチン循環は比較的短期の40カ月が1サイクルとなっています。長期の波では20年を1サイクルとするクズネッツ循環が知られています。

そうしたサイクルの存在を踏まえたうえで、近代日本を見たときに、40年程度の隆盛期と40年程度の衰退期を合わせて80年程度のサイクルがあるのではないかと感じています。ここでの近代というのは、幕末のペリー来航、そして明治維新以後の歴史のことです。

日本近代の第一のサイクルの隆盛期は日本が幕末の混乱を経て、急速に近代化していた時です。ここサイクルの始まりの象徴的な事件としては1968年の明治維新、そしてその引き金となった1853年のペリー来航が挙げられます。

ペリー来航から明治維新初期までは戊辰戦争、西南戦争などもあり、日本は非常に混乱しますが、その後は富国強兵・殖産興業策を強力に推し進めて、近代化を成し遂げます。

幕末混乱期から約40年後の象徴的な事件としては、1905年に日本が日露戦争でロシアに勝利したことが挙げられると思います。ここまでが第一サイクルの興隆期です。日本は列強の一角と見られるほどに軍事大国化していきます。

しかし、これ以後の40年では軍事大国化した日本は下降のサイクルに入ります。対ロシア戦勝利で日本は大いに自信を得ますが、非白人国家が白人国家を降したことで、米国など他の列強からは日本への警戒の目が非常に厳しくなってきます。

強力な軍事力・経済力を背景に満州国建設などで日本は得意の絶頂に達します。一方で、国際連盟脱退を経て、また他の列強のブロック経済化などの影響もあり、日本は孤立感を深めていきます。

そして日露戦争勝利からちょうど40年後の1945年に日本は敗戦を迎えます。ここまでが日本近代の第一のサイクル(幕末から日露戦争勝利まで軍事大国としての興隆期の40年間、そしてその後の敗戦までの衰退期の40年間)となります。

しかし1945年の終戦後は第二サイクルの隆盛期が始まります。戦後の数年間は食料不足で餓死者がでるなど非常な混乱に直面しますが、その後日本は1956年の経済白書で「もはや戦後ではない」との宣言が出されるなど、順調な経済回復を遂げていきます。軍事大国ではなく、経済大国として急速に拡大を続け、そのGDPは1968年には米国に次ぐ世界2位となりました。

オイルショックなどの経済ショックも巧みに克服して「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(エズラ・ヴォ―ゲル氏の1979年の著書)と言われるまでになります。

1980年代には、日本の資本がロックフェラーセンターなどニューヨークの著名な建物を買収、GDP世界一の米国経済を脅かすまでになりました。戦後の経済大国としての復活の象徴だったのが、1985年のいわゆるプラザ合意でした。

プラザ合意前には1ドル=240円程度であったものが、翌年には120円程度と大幅な円高となりました。日本の輸出産業は一時的に大きな打撃を受けましたが“前提条件を変えなければ日本に勝てない”との懸念を米国に抱かせるほどに日本経済が強大になったとも言えます。

プラザ合意後の数年間は、日銀の超低金利策の助けもあり、円高のショックを緩和しつつ、日本経済は拡大を続けます。1989年末には日経平均株価は当時としては未曾有の38900円を付けます。地価の上昇も続き、海外資産の買収も増加しました。

バブル経済期の1980年代後半が経済大国としてまさにピークにあったと言えそうです。1945年の終戦から85年までの40年間が近代の第二サイクルにおける隆盛期だったといえます。

しかしその後は、株価、地価の暴落もあり日本経済は「デフレ期」に入ります。「失われた30年」とも言われ、経済大国日本は徐々に活力が失われてきました。

2000年以後にはGDPにおいて、まず中国に抜かれ、後にドイツにも抜かれ、世界4位に落ち込みました。さらに2026年にはインドにも抜かれ5位に落ち込む見通しです。かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた経済大国が現在は、このていたらくです。

プラザ合意から2025年までの40年間が経済大国としての日本の第二のサイクルにおける衰退期と言えると思います。1945年の終戦から2025年までの80年程度で日本は経済大国としての隆盛と衰退のサイクルを完了しました。

こうして振り返ってみると、近代日本においてはどうやら40年程度の興隆期と40年程度の衰退期からなる80年程度のサイクルがあるようです。その第一サイクルは幕末・明治維新から1945年の終戦までの軍事大国としての80年間。第二サイクルは1945年の終戦から2025年までの経済大国としての80年間です。

近代日本に80年程度を一区切りとしてサイクルが存在するのであれば、今年あたりから第三のサイクルに入っていくことになります。これから始まる第三サイクルと第二サイクルの区切りになる2025年の象徴的な事件としては初の女性総理の誕生が挙げられると思います。

今年以後の数年間は低調な時期がしばらく続くかもしれませんが、その後の40年で日本が再び大きく羽ばたく時期に入る可能性があります。日経平均株価が5万円を超えて史上最高値近傍で推移しているのも象徴的です。

また第三のサイクルで、日本がどのような分野で世界をリードしていくのかも注目です。1945年までの第一サイクルでは日本は軍事大国として君臨しました。その後の第二サイクルでは経済大国として存在感を示しました。第三のサイクルではどういう分野で日本が世界の注目を集めるのでしょうか。

それはもしかしたら、軍事や経済というように数量化できる分野ではないのかもしれません。

現在、日本のアニメなどのコンテンツが世界的に人気を集めており、外国の若い人の間では日本のアニメを通して日本語を学んだという方も少なくないようです。海外の方がアニメを通して学んでいるのは日本語だけではなく、同時に日本的な生き方、考え方も学んでおられるように感じます。

もしかしたら、対立を極力避ける「和をもって貴しとなす」とか、自分以外の価値観も柔軟に受け入れる神道の多神教的文化とか、そうした日本的な考え方、生き方が注目されていくのかもしれません。

ところで、上で指摘した80年程度のサイクルに近い数字ですが、日本の数霊学では81というサイクルも存在します。

今年は第二次世界大戦が終わってから81年ということですので、日本だけでなく世界全体でもかなり大きな変化がありそうです。既に米国がベネズエラを急襲して同国の大統領を拘束するという事態も発生しています。

1945年以後に作られたた価値観、世界秩序が崩壊するような事態もあるかもしれません。日本、世界の動きに注目です。