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前回のブログでは、岸田文雄総理と、同じ宏池会出身の鈴木善幸元総理の類似性を指摘しましたが、最近の政治経済情勢は1970年代後半から80年代前半に至る状況に非常に似ていることに驚かされます。

40年程前はどういう時代だったのか? 一言で言えば「米ソ冷戦時代」であり「インフレ時代」でした。

まず経済情勢ですが、米国の11月の消費者物価指数は前年比プラス6.8%と、19826月以来の大幅上昇となりました。日本の企業物価指数も同プラス9.0%と大幅に上昇、8012月以来の上昇幅だったということです。

現在も40数年前も大幅な物価上昇は原油価格の上昇によりもたらされました。1979年のイラン革命により第二次オイルショックが起こり、原油価格が高騰。世界経済はインフレに悩まされることになりました。

そのインフレを抑えるために米国の連邦準備理事会(FRB、中央銀行に相当)が金利を大幅に引上げ、その結果としてドル高/円安傾向が定着しました。原油高に加えて円安が日本のインフレを加速させることになりました。

現在も似た状況です。FRBは政策の重点をインフレ抑止に徐々に移行していますが、その影響で、ドル高/円安の圧力が強まっています。

また当時も現在も民間の活動自粛が奨励されていることも共通しています。現在はコロナ禍抑制のために店舗の営業時間が短縮されるなどしていますが、40年程前もエネルギーを節減のために、深夜の営業自粛やネオンサインの消灯が見られ、鬱々とした雰囲気が人々を支配していました。

政治状況も当時の非常に似ています。

当時の米国大統領はジミー・カーター氏でした。バイデン氏と同様に民主党の政権です。バイデン、カーターともに一見「良い人」に見えるのですが、ともに力不足で、徐々に支持率を落としていった点も共通しています。

当時のカーター氏は、全体主義国家であるソビエト連保(現在のロシア)の覇権拡張に対して、何もできませんでした。

バイデン氏も先日、ロシアのプーチン大統領とウクライナ情勢について会談しましたが、ロシアに対抗するという覇気、能力も全く感じられません。また全体主義の中国の覇権拡大に対しても、有効な策を打ち出せていません。

中東地域での失敗も共通しています。先般、バイデン氏はアフガニスタンからの無為無策過ぎる急な撤退により、タリバン独裁を許し、同国は混乱の渦中に陥ってしまいました。

カーター氏も、当時中東で米国の最大の同盟国だったイランを、イスラム革命によって、なす術もなく失ってしまいました。

そればかりか、米国の駐イラン大使館がイランの学生によって長期にわたり占拠されてしまいました。完全な国際法違反です。

後にカーター氏は、特殊部隊をイランに送って人質救出を試みますが、見事に失敗してしまいます。

全体主義国家の横暴には無策、さらに中東での大失敗、こうしたカーター政権の迷走をみて、米国民は苛立ちを募らせます。

米国の政権は順調にいけば、28年続くのが普通ですが、カーター氏の政権は1期だけで終了しました。

バイデン政権もこのままでは1期だけで終了しそうです。いや、2024年までもてばまだ良い方でしょう。来年に予定される中間選挙を待たずして、民主党内の批判勢力によって、引き下ろされる可能性もありそうです。

当時の日本も似たような状況でした。米国は外交音痴の鈴木政権に不信を募らせました。日本国民も徐々に政権を見捨てていったのは前回のブログで紹介した通りです。

日米ともに、良く言えば「ハト派」とも言えますが、優柔不断で衆愚的な政権の迷走に、両国国民は徐々に苛立ちを隠さなくなっていきました。

こうした状況の反動もあって、次に登場したのは、日米ともに強力な保守政権でした。

1981年には共和党のロナルド・レーガン氏が大統領に就任します。

レーガン氏は保守的過ぎるため、大統領選挙ではカーター氏が勝つ―との報道が日本のマスコミでは支配的だったとの記憶があります。しかし、そうしたマスコミの予想は大きく外れました。2016年のトランプ対ヒラリー・クリントンの時と同様です。

レーガン氏は、経済対策としては、インフレ抑止のために高金利政策を推進する一方で、減税を推し進めました。

また対ソ連政策では、強硬姿勢を貫き、軍拡に邁進。その結果、1991年にソビエト連邦は崩壊します。

また日本においても82年に中曽根康弘総理が登場、5年間政権を担当して佐藤栄作政権以来の長期政権なりました。

中曽根氏は国鉄民営化などの行政改革を強力進める一方、米国と歩調を合わせて、対ソ連では対決姿勢を鮮明にします。「日本列島を不沈空母とする」との彼の発言は、当時の政権の外交姿勢を雄弁に物語っています。

このように現在の日米の政治経済状況は70年代後半-80年代前半のそれに非常に似ています。

そうであるならば、今後の動きとして、40年前のリピートも想定されます。つまり、予想されるのは日米ともに強力な保守政権の誕生です。

米国では共和党による強力な政権が誕生する可能性がありそうです。その新政権は、レーガン政権同様に、中国など全体主義的な国家との対決を辞さないものになるかもしれません。

現在のトランプ前大統領への米国での高い支持率を考えれば、24年以内に彼の再登板の可能性も捨てきれません。

同様に日本でも岸田総理よりも保守的な政権が生まれるとしたら、安倍氏再再登板の可能性もあります。あるいは、高市早苗氏など保守的な政治家が政権を担当して、安倍氏がそれを強力にバックアップするというシナリオも考えられます。

「歴史は繰り返す」という言葉がありますが、40年ぶりに過去のリピート再生が見られるのか否か、今後の推移を注視していきたいと思います。


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