今年(2021年)の正月はコロナ禍の猛威もあり、初詣にまだ行っていないという人も多いことでしょう。

初詣に付き物なのが、神社仏閣で頂けるおみくじです。それを楽しみに初詣に行く人も多いことでしょう。正月だけでなく、年を通じて、神社、仏閣で訪ねて必ずおみくじを引く人も少なくないようです。

自分自身はどうかというと、年に一度くらいしかおみくじを引きません。特に理由はないのですが、引くのは毎年秋にお参りする山上のある神社に限られています。

引いたおみくじを見て「大吉だ」「凶だ」と言って一喜一憂がある。おみくじを引くときの心構えですが、やはり「一期一会」というのが基本。どんな結果であっても、それを受け入れて、そこから学ぶという謙虚な姿勢が必要だと思います。

良くない結果がでると、良い結果がでるまで、おみくじを引き続けるという人もいるように側聞しますが、これは感心しない。神様を冒涜することになると感じます。

そういえば、明智光秀も本能寺の変決行の直前に、良い卦が出なかったので、何回もくじを引いたと言われていますが、今回の大河ドラマでそのシーンが見られるかどうか、興味あるところです。

良い卦がでるまで引き続けるという行動の裏には「大吉」などは良く、「凶」は良くないという先入観があるのでしょう。確かに「凶」など比較的悪い卦が出れば、落胆して、その結果にずっと囚われてしまう人もいるかと思います。

おみくじの卦というものは、現在の運、あるいは少し将来の運勢を占うものだと思いますが、凶が出たら、勿論注意が必要ですが、そのうえで、冷静に発想を転換してみてはどうでしょうか。

凶というからには、現在が最悪の状態、どん底ということです。つまり、既に最悪の地点にいるのだから、今後は良くなることがあっても、これ以上悪くなることはないということです。

足元が良くない状態であっても、しばらく忍耐していれば、そう遠くない将来は、現在より確実に良くなるという意味でもあります。

また凶が出ても、現状がそれほど悪くないのであれば「凶の状態(最悪の状態)でも、この程度か」ということで安心できるかもしれません。

勿論「凶」が良いと強弁するつもりはありません。確かに警戒すべきでしょう。しかし物は考えようです。

九星気学でも同じことが言えます。たとえば「停滞運」(不測の事態が多く、ツイていない時期)という時期があります。年で言えば、気学の9年周期で最も衰運の一年です。

自分を振り返ってみても、32歳頃ですが、停滞運で散々だったこともあります。ですので、注意すべき時期ではあるのは確かです。

しかしこの停滞運、今後ずっと続くということではありません。最も衰運の年ですので、これ以上悪くはならいないわけです。

ですので、停滞運の時でも、しばらく辛抱すれば、徐々に運勢は改善してきます。気学のサイクルを見ても、停滞運の翌年は「整備運」、その翌年は「躍動運」、その次は「福徳運」と徐々に、しかし確実に運気が改善するサイクルに入ってくるのです。

言い方を変えれば、停滞運というのは、暗いトンネルに入ったものの、少し先に光明が見えている状態とも言えると思います。冬来れば、春遠からじ—です。

ツイていない時期というのは人生には確かに存在します。その時期をひたすら耐え忍ぶだけでも、結構大変なことです。しかし暗い心理状態にとどまることなく、一歩進んで、いずれ改善が見込まれる将来に備えて準備するという積極的な姿勢が望まれるところです。

おそらく神様も、私たちが明るい前向きな工夫をすること「禍を転じて福となす」ことを期待してらっしゃるのではないでしょうか。

九星気学について