先日、ある評論家による将来の総理候補に関する記事を読みました。それによると、岸田文雄自民党政調会長と菅義偉官房長官が最も次期総理の椅子に近いということでした。

一評論家の意見に過ぎないと言えばその通りですが、この予想について違和感はありません。「やはりそうか」という印象です。というのは岸田氏(1957年7月29日生まれ)、菅氏(1948年12月6日生まれ)ともに七赤金星という星であるためです。

このブログでも再三指摘してきたように、七赤金星という星はカネに縁があり、億万長者の多い星です。先日の買収劇で話題となったソフトバンクの孫正義氏、ZOZO創業者の前澤友作は揃ってこの星です。

今年の七赤金星は「福徳運」(誠意と熱心さで万事が好調の時期)に当たります。過去3年間、徐々に運気を上げてきましたが、今年はその上昇運のピークに近い状況にあります。

こうした点を考えれば、岸田氏、菅氏の勢いも納得できるものがあります。

しかしここでもう一人の七赤金星の動きが気になります。今回のブログの主役である石破茂氏です。石破氏は1957年2月4日生まれですので、同じ七赤金星ですが、ポスト安倍の候補としては出遅れ感は否めません。

先の参議院選挙でも「令和おじさん」として選挙応援に引っ張りだこだった菅氏と対照的に、あまり応援の要請も無かったようです。また今回の内閣改造でも、石破派からは一人の閣僚も送り出せませんでした。

岸田氏、菅氏とのこのギャップはなぜなのか? ツキのある時期にはいわゆる「棚ぼた」ということもあります。しかし追い風をフルに活用するには、やはり日頃(ツキの有るときも、無い時も)のたゆまぬ努力が重要だということではないでしょうか。

岸田氏、菅氏は党や政府の要職にあり、日々精進が必要な立場に置かれています。特に菅氏は毎日のようにマスコミの厳しい質問に晒されており、切磋琢磨せざるを得ない立場にあります。岸田氏も同様でしょう。

一方で石破氏はどうかといえば、要職についているわけではなく(この点は安倍総理との関係もあり、同情すべき点があります)必死な努力を余儀なくされるという立場ではありません。日頃の精進という点で、岸田氏、菅氏に見劣りする印象はぬぐえません。

こういう言い方は石破氏には酷かもしれませんが、最近の石破氏の言動をみていると、自ら政策を立案・提示するという建設的な役割を放棄して、お気楽な批判勢力に堕してしまったように見えることすらあります。

安倍首相との違いを際立たせなければならない-という点もあるのでしょうが、もっぱら党・政府の揚げ足取りに終始しているようにも見えます。ネット上でも、石破氏が発言するたびに「安倍を後ろから撃つ男」として批判されることが多くなっています。

また政策対応を問われても「何とかしなければいけない」「議論しなければいけない」と言うばかりで、具体性に欠けるという批判もよく耳にします。

ところで現在好調の七赤金星の勢いもいつまでも続くものではありません。来年の節分以後は「調整運」(物事を冷静に判断して調整すべき時期)に入り、ここ数年吹いていた追い風も一服となります。

やや減速感がみられる来年は石破氏、そして石破派にも変化があるかもしれません。

政治家の派閥というものは、けして「お友達」ではありません。派閥のボスについていくのも「この人についていけば、自分も上にいける」という見通しがあればこそです。

ですので、何年待っても自らの派閥から閣僚を送り込めないボスは、無能と判定されて、下の者にとって代わられることもあります。つまり石破氏自身が派閥の領袖を下ろされるかもしれません。

1960年代には岸田氏が現在属している宏池会でクーデターがあり、前尾繁三郎氏が領袖の立場から降ろされ、大平正芳氏に交代しました。

最近でも「列島改造論」の田中角栄元首相の流れをくむ額賀派で、領袖の額賀福志郎氏が退任に追い込まれています(2018年1月の「今年の運勢:額賀派でクーデター、会長そろそろ辞め時?」参照)。

また石破氏が領袖の立場を維持できたとしても、派閥の議員数がさらに減少する可能性もあります。石破派議員は現在19人で、単独では自民党総裁候補を擁立できません。派閥議員のさらなる減少は総理総裁候補としては致命的です。

このように、石破氏も党内での派閥のポジションを改善できない状況が続けば、前尾氏、額賀氏と同じ運命をたどる可能性もあるわけです。

石破氏の後任となる人は誰なのか? これについて私は、石破派の閣僚経験者の中で有力な人物がいると見ていますが、この件はまた別の機会に。

七赤金星の人とは:1921年、1930年、1939年、1948年、1957年、1966年、1975年、1984年、1993年、2002年、2011年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。

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