夏井いつきという俳人がおられます。俳句というどちらかと言えば、地味な分野で注目を集めています。名前は知らなくても、顔写真を見て「ああ、この人か」と思う読者も多いのではないでしょうか。

2013年以後バラエティー番組の「プレバト!!」にレギュラー出演して、俳句の添削を通じて、その普及に尽力しています。

ネット情報によれば、俳句ブーム牽引に貢献したことで、2018年に放送文化基金賞を受けたとのこと。さらに昨年末は紅白歌合戦にもゲスト審査員として出演するなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。

夏井氏は1957年5月13日生まれですので、九星気学では七赤金星という星になります。この星はカネに縁があり、ソフトバンクの孫正義社長、ヘッジファンドのジョージ・ソロス氏や、投資会社を運営するウォーレン・バフェットなど大富豪も少なくありません。

ただ今回お話したいのは、カネの話ではなく、運勢の話です。

夏井氏がブレークすることになった切っ掛けはプレバトへの出演だと思いますが、その2013年時点で、彼女は既に56歳になっていました。

昔であれば、多くの方が既に亡くなっている年齢です。織田信長も西郷隆盛も50歳前後で亡くなっています。

現在でも、50歳を過ぎれば、目立った功績のない自分のこれまでの人生を振り返って「自分の人生はこの程度のものだったな」と諦観に支配され、さらなる努力をやめてしまう人も多いことでしょう。しかし彼女は違っていました。

元々、七赤金星という星は晩成型ですが、それにしても夏井氏は遅咲きでした。勿論、自分の好きな道であればこそ継続できたということもありますが、よく頑張ってこられたと思います。

私自身のことを振り返っても30歳代半ばまでは「努力しているのにさっぱり報われない」とよく感じていました。このまま「自分の志を果たせずに」埋もれて行ってしまうのか―と焦燥感に支配されたこともありました。実際に、自分よりも年下の人の方が仕事もできて、上司の評価も高い-ということもありました。

このように若い時分に「自分には能力が不足しているのではないか」「今の仕事は自分に適っていないのではないか」と悲観した人はけして少なくないでしょう。

私にとってラッキーだったのは、30歳代前半に旅先で九星気学に詳しい人との遭遇があり、その教えを受けたことがあります。人生の開花時期は人によってそれぞれ異なる―という事を知って気が楽になりました。

まわりの景色や雑音に悩まされずに、自分の進むべき道を以前よりも落ち着いて歩むことができるようになったと思います。

九星をみても、三碧木星、四緑木星などの「木星」の方は比較的開花が早く、20歳代で頭角を顕す人も少なくありません。一白水星、九紫火星はやや遅れて、30歳代に芽を出すという傾向があるようです。

一方、六白金星や七赤金星のような「金星」や二黒土星、五黄土星、八白土星のような「土星」は遅咲きで、40歳代前半にならないとなかなか芽がでてこないようです。

ですので、年齢とは関係なく、金星や土星という晩成型の星の方は、若い時分には、どうしても早熟型の木星の人に比べると「報われない」「ツキがない」「出遅れた」と感じることが多いかもしれません。

夏井氏も金星でしたので、ブレークするまでに時間が必要だったということでしょう。

晩成型の星の方は、この時点で努力をやめて諦めてしまうと、そこで終わりになってしまいます。しかし報われるまで時間が掛かっても、自分の信じる道を、平常心を維持して地道に進んでいけば、いつか必ず自分の努力に相応した結果が得られることと思います。

50歳代後半で芽を出し、現在大活躍を続ける夏井氏の姿を見て、自分の道を諦めず、努力を続けることの重要性を強く感じた次第です。「継続は力なり」

※九星気学について