トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩委員長の電撃的な会談、大阪でのG20会合という大きなニュースの影に隠れてしまった感がありますが、安倍首相はこの夏の衆参同時選挙を見送りました。安倍首相のこの決定には、九星気学でみた首相自身の運勢が大いに影響していると感じます。

 巷では、10月の消費税率引き上げは予定通りに行われ、衆議院の解散もしばらくは無い-との見方が大勢となっているようにみえます。

しかし参議院選挙後に安倍首相が、消費税率引上げ先送り、そしてその是非を問う衆議院解散・総選挙を決断する可能性はまだ潰えていないと感じます。

なぜ安倍首相は衆参同時選挙を見送ったのか? 

安倍首相は1954921日生まれですので、九星気学では一白水星という星になります。この星は政治家に向いていて、先輩の総理には日本列島改造論の田中角栄氏、行政改革の中曽根康弘氏がいます。また現在衆目を集める自民党の小泉進次郎氏も同じ星です。 

この一白水星、今年は「嬉楽運」(人脈を強化し、足元を固める時期)に当たっています。どちらかと言えば良い運勢の年ですが、昨年の「強勢運」(勇気と信念でチャンスに恵まれる時期)ほどの勢いはありません。 

しかし選挙やスポーツのような一発勝負では、年の運勢よりも月の運勢がより大きく影響しているようです。では参議院選挙の行われる7月の一白水星の運勢はどうなのか?  

7月は一白水星にとって「評価運」(努力の花が咲くが、後半が不安定な時期)に当たっており、決して強い運気とは言えません。野党側の力量・運にもよりますが、大幅か小幅かは別として、安倍首相率いる自民党の議席数は減少するのではないでしょうか。 

安倍氏自身の運とは別に、国民に非常に不人気な「消費税率引き上げを強行した」との印象もマイナスでしょう。 

第一次安倍内閣が退陣に追い込まれた2007年の参議院選挙の時も、選挙が行われた同年7月の一白水星の運気は今年と同じ「評価運」でした。ですので、2007年の参議院選挙の結果が繰り返される可能性は否定できません。 

その不利な時期の選挙をどう乗り切るかですが、一つの選択は衆参同時選挙です。これまでの経験則から言えば、同時選挙は与党に有利というデータが出ています。 

一方、同時選挙が裏目に出て、参議院だけでなく衆議院でも大きく議席を減らした場合には、2007年と同様に再び退陣に追い込まれる可能性が高くなります。憲法改正どころではなくなるでしょう。 

安倍氏はそういう事態を避けたかったのではないでしょうか。 

同時選挙になれば、選挙の時期はやや前後する可能性がありますが、安倍氏の一白水星にとって今年68月の間は低迷の時期となっています。少々選挙時期が前後したところで、苦戦は避けられそうもありません。 

仮に同時選挙が8月ということになれば、一白水星にとっては「停滞運」(不測の事態が多く、ツイていない時期)という最衰運の時期に当たり、最悪のタイミングとなります。

一方、参議院だけでの敗北であれば(減少した議席数にもよりますが)退陣という最悪の事態は避けられる可能性が高いでしょう。被害を比較的小幅に食い止めることができます。 

2007年は参議院選挙の結果が首相退陣に結び着きました。2007年の選挙の自民党の大敗は首相側近のスキャンダルと所謂「消えた年金問題」が主因でした。

 今回は今のところ側近のスキャンダルは出ていませんし、年金の「2000万円問題」も「消えた年金問題」ほどの打撃にはなっていません。参議院選挙で議席数を減らしても退陣にまで至るとは考えにくいのです。 

では衆議院解散・総選挙が大きく遠のいたのかと言えば、そうではなさそうです。 

G20会合で米中の経済摩擦はやや緩和されたように見えます。また今後、米国を中心に世界的に金融緩和方向の流れになる可能性もあります。しかし、世界そして日本経済が改善方向にあるのかと言えば大いに疑問です。 

1日に発表された日銀短観の大企業製造業DI(景気の一致指標として知られています)も2四半期連続の低下となり、3カ月後の見通しも改善は見込まれていません。 

こうした環境下での消費税率引き上げは経済へ大きな打撃となりそうです。 

こうした点を考えれば、安倍首相が消費税率引き上げを先送りし、その是非を問うために衆議院の解散・総選挙に打って出る可能性はまだ残っていると考えられます。 

ではその時期はいつ頃なのかですが、安倍首相の運勢が明確に好転してくる今年10月、11月が最有力と見ています。 

一白水星にとって10月は「躍動運」(積極的に努力して希望が叶う時期)、11月は「福徳運」(誠意と熱心さで万事が好調の時期)と非常に運気が改善してきます。 

この時期を逃すと、解散・総選挙は来年にずれ込みということになりますが、一白水星の来年の運気は「改革運」(無理と無駄に注意する時期)となり、陰りがでてきます。概して今年よりも首相にとって不利となります。 

安倍首相や麻生財務相というような、伝統ある政治家の家には必ず運気を見てアドバイスする人物がいるものです。 

かつて池田隼人首相の秘書だった伊藤昌哉氏の名著「自民党戦国史」によれば、1980年の総選挙中に急死した大平正芳元首相はクリスチャンでしたが、神道系の金光教の先生がアドバイスを与えていたとのことです。 

私が安倍首相にそうしたアドバイザーがいることを確信したのは、首相が前回の総選挙の時期を201710月を選んだ時です。その月は首相にとって非常に運の強い月で、予想通り与党自民党の圧勝となりました。 

勿論、選挙というものは、党と党の総力戦ですし、一人一人の候補者の力量・運が問われます。しかし、これまでの重要な選挙の結果を見た限り、安倍首相の運気が大きく自民党の選挙結果に影響していると感じます。 

参議院選挙後の推移を見守りたいと思います。 

一白水星の人とは:1918年、1927年、1936年、1945年、1954年、1963年、1972年、1981年、1990年、1999年、2008年、2017年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。

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