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4月の伸び率は3月を下回りそう

大手百貨店各社の4月の売上高の伸び率が発表されています。そごう・西武が前年比0.4%増、伊勢丹三越が同1.8%増、JFR(大丸・松坂屋)が同5.1%増、高島屋が同2.6%増と、4社そろっての増加となりました(図1)。

4社は、増加の要因として株高などで高額品需要が強かったこと、気温が高めに推移し春物衣料などの需要が強かったこと、インバウンド消費が堅調だったことーなどを挙げています。

この4社の数字を用いて、回帰式(末尾参照)で4月の全国百貨店売上(今月23日発表予定)を予想してみると、前年比プラス1.4%と試算され、3月の試算値(プラス1.5%)をやや下回ります(C1参照)。

しかし、実際の発表数値と、回帰式による推定値の間にはC1でも分かるようにギャップがあります。例えば、3月の売上は回帰式では前年比プラス1.5%と算出されましたが、実際の発表値はプラス0.1%でした。

回帰式の予想は、このところ実際の発表数値を1.3ポイント程度上回っている(過去6カ月の平均)ので、その点を勘案すれば、発表される数字はプラス0.1%程度が予想されます。

しかし4月の試算値はプラス1.4%と、3月の試算値(プラス1.5%)を若干ですが下回っているので、4月の実際の発表値も、3月のそれ(プラス0.1%)を下回ると考えるのが妥当でしょう。

というわけで、Research76では4月の百貨店売上を前年比ゼロ%近傍としておきます。ゼロをはさんで若干のプラスもマイナスもあり得ます。

インバウンド消費、依然堅調

アジアの旧正月は終わりましたが、インバウンド消費は依然として堅調です。

百貨店協会によると、3月の外国人向け売上の売上全体に対するシェアは5.6%と、2月の6.6%を下回ったものの、依然高水準を維持しています。また外国人向け売上の伸びも前年比プラス48.1%と、12月のプラス45%以来の高い伸びとなりました(C2参照)。

こうしたインバウンドの堅調さは他の統計とも整合的です。日本での消費額が最も大きい中国からの訪日客の数は4月は前年比プラス29.2%となり、3カ月連続の2ケタ増となりました。実際の訪日客数も4月は中国が68.3万人で第1位となっています。

今後のインバウンド消費ですが、強弱材料が交錯しています。中国人訪日客の購買力に影響のある為替、株価をみてみると、対円では人民元は底打ち反転となっており、インバウンド消費にプラスと言えそうです。しかし株価(上海総合指数)はこのところ弱含んでおり、こちらは足を引っ張る要因と言えそうです(C3参照)。

※回帰式
全国百貨店売上の前年比変化率の予想=0.16*「そごう西武の売上の前年比変化率」+0.093*「伊勢丹三越の売上の前年比」+0.163*「JFRの売上の前年比」+0.443*「高島屋の売上の前年比」-0.862

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