トトロの森

田布施という町

世の中には特別にパワーのある土地というものが存在するようです。いわゆるパワースポットと言われる地域もそれでしょう。またパワーといってもポジティブな面ばかりとは限りません。おかしな犯罪が多発するネガティブなパワーをもつ土地も存在します。前者が昔から言われるイヤシロ地、後者がケガレ地というものです。

パワーのある土地として、まず思い浮かぶのが長州、山口県の田布施町というエリアです。人口もさして多くない地味な町ですが、オカルト趣味の人には「田布施システム」という言葉でおなじみかもしれません。田布施システムとは何か? 簡単に言ってしまうと、倒幕、そして明治維新を推進した人脈がその後も日本を支配し続けている−ということのようです。その真偽については分かりませんが、田布施町が非常なパワーを持った地域であることは間違いないようです。

まず岸信介、佐藤栄作という2人の総理大臣を出しています。また安倍首相の弟である岸信夫議員もこの町の出身です。田布施町から山口県全体に視界を広げてみると、現在の安倍首相も山口の出身ですし、憲政始まって以来、山口県は8人の総理を出しています。2位の東京(5人)を引き離してダントツの一位です。明治維新を主導した人脈が今も生き続けているということなのかもしれません。

また、この田布施という地域はスピリチュアルなパワーも相当にあるようで、古神道界の巨人、友清歓真が興した神道天行居がありますし、戦後に北村サヨが興し「踊る宗教」として一世を風靡した天照皇大神宮教もあります。

近くに石城山(いわきやま)という霊気溢れる山もあり、麓にある鳥居には岸元首相が揮毫した「石城神山」という額が掛かっています。その頂上付近には、15世紀に大内氏が建立した石城神社をはじめ、多くの神社があります。また幕末に高杉晋作も山頂付近で奇兵隊を訓練しました。

加治屋町とは

長州、山口とともに倒幕、明治維新を主導した薩摩、鹿児島にもパワーのある地域があります。九州新幹線のターミナル駅である鹿児島中央駅からほど近い加治屋町という地域です。ここからも明治維新以後の日本を主導した重要人物が多く輩出しています。

来年、大河ドラマの主役となる西郷隆盛をはじめ、大久保利通も同じ町の出身です。また西郷さんに最後まで付き従った村田新八、篠原国幹も同郷。さらに西郷さんの弟で後の海軍大臣になる西郷従道、やはり西郷さんの従弟で後の陸軍大将の大山巌、日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃破した東郷平八郎など、明治時代の日本を支えた錚々たる顔ぶれが並びます。

薩摩の中でも、なぜ加治屋町出身者ばかりが活躍することができたのか? 西郷さんという不世出の大人物の影響、縁故が大きいと見る向きもあるでしょうが、土地が本来持つ(あるいは、当時持っていた)パワーが大きく影響しているのではないでしょうか。薩摩出身の総理大臣は3人と、長州に大きく水をあけられていますが、それでも県別にみると5位で、人口比率でみると非常に健闘していることが分かります。

パワースポットの注意点

パワースポット巡礼が流行って久しいものがあります。少しでもご利益を受けて、自分の人生を改善したいとのことで、人間としては当然の感情でしょう。私のまわりには霊感のある人が結構いるのですが、その人らが口をそろえて言うのは「流行のパワースポットは要注意」ということです。

どいうことなのか? 彼らによれば、パワースポットに行って多くの人々がお願いをするようになると(お礼を申し上げるなら良いですが)その欲望の念が徐々に堆積し、そこに低級な動物霊が反応するようになるというのです。その結果、お願いをした人はお金が儲かるなど、一時的に現世的なご利益を受けますが、最終的にはロクな結果にならないということです。

私も相当昔に、明治神宮にある清正井戸や、安倍晴明を祭った京都の晴明神社に行ったことがあります。当時はあまり参拝者もいなくて閑散としていましたが、その後、パワースポットとして良く知られるようになり、参拝者が殺到しているようです。パワースポット巡りを否定するつもりはありませんが、人が殺到するような場所では、上に述べたような点も、心にとめておいて頂ければ幸いです。