トランプ米大統領、メイ英首相と


メルケル首相、12月−来年2月が勝負

アンゲラ・メルケル独首相が連邦選挙後に進めていた連立協議が、自由民主党の離脱で決裂しました。また選挙前まで首相のキリスト教民主・社会同盟と大連立を組んでいた社会民主党は連立に加わらない態度を鮮明にしています。

選挙後、連立協議に2カ月もの時間をかけてきたことを思えば、新たに連立を作るにも相当な時間がかかりそうです。難問が山積するEUにあっては、連立作りにそう多くの時間を割いてはいられないでしょう。ドイツの政治のスケジュールについては、詳しく知りませんが、連立協議にあまり時間をかけられないのであれば、1)とりあえず少数与党として船出する、2)再選挙を行う−などの選択肢があるようです。しかし、いずれにせよメルケル首相の神通力が今後低下することは確実でしょう。

首相は1954年7月17日生まれですので九星気学では一白水星という星になります。この星は、32歳を過ぎたあたりから実力を発揮する「中咲き」(早熟型と晩成型の中間)で、政治家にも向いており、大国ドイツを長くリードしてきたことも頷けます。同じ星に安倍晋三首相、小泉進次郎代議士などがいます。

一白水星は昨年、一昨年と非常に強い運勢だったのですが、今年は「調整運」(物事を冷静に判断し、調整すべき時)に入り、やや衰運となっています。月ベースの運勢を見ると、11月は「嬉楽運」(人脈を強化し、足元を固める時)で、さほど悪くはありません。ですので、できれば11月中(気学上は12月6日あたりまで)に決着させたいところです。

12月も7日を過ぎますと、12月は「改革運」(無駄と無理に注意する時)に入り、安定感が無くなってきます。また来年1月は「評価運」(努力の花が咲くが、後半が不安定な時)で後半に不安があり、2月は「停滞運」(不測の事態が多く、ツイていない時)で八方塞がりとなります。

もっとも来年2月の節分以後は、年ベースの運気は改善します。今年の「調整運」を脱して「強勢運」(勇気と信念でチャンスに恵まれる時)に入るので、再び勢いを増してきます。しかし問題は、来年の2月まで首相が政権を維持し続けられるのかーという点です。

EU、来年はさらに弱体化も

メルケル氏は10年以上にわたりドイツの首相の座にあり、文字通りEUの盟主、要石としての大任を果たしてきました。その政権が弱体化したり、メルケル氏が政権を投げ出すというような事態に陥れば、EU全体の不安定化につながってきます。

EUにとって痛いのは、もう一つの牽引役であるフランスのエマニュエル・マクロン大統領の運気が来年は大きく低下することです。事実、大統領が進める財政健全化を含む経済改革が国民に重い負担を強いることになり、このところ支持率が低迷しています。

マクロン大統領は1977年12月21日生まれですので五黄土星という星になります。この星は41歳を過ぎたあたりから本領を発揮する晩成型の星ですが、やはり政治家に向いています。小泉純一郎元首相や安倍首相の祖父にあたる岸信介元首相も同じ星です。リーダーシップに恵まれていますが、客観的に物事を見るのがあまり得意でないという欠点もあります。

今年は「評価運」(努力の花が咲くが、後半が不安定の時)だったのですが、予想通りに先の選挙で躓きました。同じ星の稀勢の里関も、努力の花が咲いて今年横綱昇進を果たしましたが、現在はケガに泣いています。やはり五黄土星の稲田朋美氏も防衛相からの辞任を与儀なくされました。

五黄土星にとって来年は「停滞運」と、9年に一度の衰運の年に入ります。 マクロン大統領もとっても政治的に相当な苦戦が予想されます。このようにメルケル首相が弱体化(あるいは去り)し、マクロン氏も停滞期に入ってしまうと、ただでさえ問題山積のEUがさらに混乱、不安定化する可能性が高まります。

一方、EU離脱交渉を進めている英国のテリーザ・メイ首相にとっては、EUの2大強国の弱体化は交渉を進めるうえで好材料になる可能性があります。メイ首相は1956年10月1日生まれですので八白土星という星です。この星は晩成型で、60歳台になっても比較的強い運気を維持します。今年は「躍動運」(積極的に努力して、希望が叶う時)と強運の年にあたります。また来年は「福徳運」(誠意と熱心さで万事が好調の時)に入り、さらに運気が強まってきます。英国は首相の強運を生かしたいところでしょう。

際立つ安倍首相の強運

先ほど、メルケル首相と日本の安倍首相は同じ一白水星の星であると指摘しました。メルケル首相の与党は9月の連邦選挙で議席を大きく減らし、今ここにきて連立協議にも手間取っています。一方の安倍首相は先の総選挙で勝利、2020年の東京オリンピックまで政権を維持しそうな勢いです。

両者とも同じ星でありながら、なぜ現在、これほど大きな差がついてしまったのでしょうか。それは選挙のタイミングにあったと考えられます。

ドイツの選挙は9月でした。月ベースの運気をみると、9月は一白水星にとって「調整運」で、比較的弱い運気の月だったのです。神宮館暦でも「意外な行き詰まりに当惑することもある」と警告しています。一方、日本の総選挙は10月でしたが、この月は一白水星にとって「強勢運」と非常に強い運気の時機だったのです。

ですので、もしドイツの選挙が10月であったならば、メルケル首相はこれほど苦労することは無かったかもしれません。連立協議そのものが必要でなかった可能性もあります。一方、安倍首相は10月に一白水星の運気が強まることを事前に知っていたのではないでしょうか(周囲にアドバイザーがいると思われます)。そのうえで、10月の解散・総選挙に打ってでたと思われます。

以前このブログでは、安倍首相が総選挙で勝利するには、来年の5月か7月の解散・総選挙が最善であると申し上げてきました。おそらく来年はそれができない何らかの理由があったのでしょう。そのために今年中に選挙をする必要がでてきたと思われます。そこで今年中の月ベースの運気をみると、10月がベストだということで、そこで解散・総選挙ということになったと思われます。衰運の年にありながら、比較的強運になる10月のピンポイントに賭けた安倍首相の勝利でした。

ところで安倍首相を姓名判断で見てみましょう。安倍の姓が16画、晋三と言う名前で13画、姓名全体で29画となります。まず名前の13画(中年までの前半生の運命に影響する)ですが、知略あり識見ある数にして理想倒れとならず、実行力も伴い開運発展する吉数とあります。また姓名全体の29画の方(中年以後の後半生に影響)については、物質的方面にも精神的方面も大いに手腕を揮ひ得る、男子は大事業を成就しうる吉数とあります。もっともこの数は、女子には好ましくないとのことです。

さすがに3代にわたる政治家の家、宰相になるべく付けられた名前といってよいでしょう。姓名判断には色々ありますので、上記の判断に異議がある方も少なくないでしょう。私が重視するのは、古神道界の巨人、友清歓真先生によるものであることを付け加えて置きます。

一白水星の人とは:1918年、1927年、1936年、1945年、1954年、1963年、1972年、1981年、1990年、1999年、2008年、2017年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。

九星気学について