女性に国政レベルでの活躍を期待

—今回はちょっと番外編です。小池百合子氏が東京都知事となりました。女性の知事は既に何人かいますが、これを契機に女性の政治参加が一段と加速することを期待したいと思います。

—女性の政治参加で私が期待したいのは国政レベルでです。「日本では女性の国会議員が少ないので、他の先進国並みに引き上げろ」などと建前論を言いたいのではありません。国益のためです。特に期待したいのは対外交渉での活躍です。

—対外構想といえば英語の問題がつきものです。日本人にとって英語の壁克服は容易にではありませんが語学力については女性は男性を上回っているということは既に証明されているようです。私は長年にわたり外資系経済通信社に勤務していましたが、その中で会った女性達をみてもそう感じます。

—もう1つの強みは、相手の言い分を聞いたうえで当意即妙に切り返す能力です。これは対外交渉で必須の能力ですが、男性よりも長けているようです。今回の選挙でも石原慎太郎氏の「厚化粧」発言に対する小池氏の切り返しは見事でした。

—「当意即妙に切り返す能力」ですが、これは現代だけの話ではなく昔から日本女性に備わっていた能力らしいのです。百人一首でも女性の歌が少なくありませんが、以下の3つは特に注目です。

–夜をこめて鳥の空音は謀るとも、よに逢坂関は許さじ(清少納言)
–大江山いく野の道の遠ければ、まだふみもみず天の橋立(小式部内侍)
–春の夜の夢ばかりなる手枕に、かひなく立たむ名こそ惜しけれ(周防内侍)

—これらは、男性に言葉に対して、即座に返した歌として知られていますが、日本女性の頭の回転の良さを示唆するものです。「日本はいつも対外交渉で相手国にしてやられている—」(※余談ですが「してやられる」は、英語では be outnegotiated と言います)と悔しい思いを持っているのは私だけではないと思います。女性のさらなる国政進出で対外交渉力改善を期待したいと思います。

 本日もお付き合い、有難うございます。