クリックして応援をお願いします。

注目されていた中国共産党大会が終了しました。習近平氏を主席とする体制が3期目に入ること、共産主義青年団出身で経済通だった李克強氏が指導部を離れたこと、やはり共青団出身で執行部入りを予想されていた胡春華氏が執行部入りできなかったことなどから、習氏独裁の色がさらに濃くなったと言えそうです。

今後の中国が、文化大革命時代のような混乱期入りするのではないか-と見る方も少なくないのではないでしょうか。

思い返せば、1989年のいわゆる天安門事件で中国は国際的に孤立しましたが、亡くなった鄧小平氏の「爪を隠した」経済重視路線が軌道に乗り、その路線は江沢民氏、胡錦涛氏に受け継がれていきました。

その後の30年間は日米欧などの先進国の援助や投資もあり、順調な経済発展を遂げ、中国のGDPは日本を追い越して世界2位にまで上り詰めました。

しかし習氏が主席を勤める2期目あたりから、経済重視路線から毛沢東時代のようなイデオロギー路線、個人崇拝路線色が強まってきました。

最近もゼロコロナ実現を目指すあまりに、国民の日々の生活を平気で犠牲にするようになり、市民からも、あからさまな抗議の声がネットなどを通じて漏れ伝わってくるようになりました。

今回の共産党大会でも来年の経済成長目標を提示できず、このことは、これまでの経済発展重視路線から決別したのではないかと疑われるほどです。

ところで今回の習近平路線の強化ですが、文化大革命時と同様の権力闘争なのではないかとも思えます。

毛沢東氏は中国での共産党支配を確立し、その後の経済建設で「大躍進」政策を推進しましたが、それが見事に失敗してしまします。

その後に出てきたのが、鄧小平、劉少奇といった所謂テクノクラート重視の人々です。毛氏が旧体制を破壊した後は、新たな社会、経済建設が課題となりますが、毛氏にはその力が無かったことは大躍進政策の失敗で明らかになりました。

新たな社会、経済建設には専門家やエンジニアなど所謂テクノクラートの力が必要とされます。そうした路線を主導したのが鄧小平、劉少奇といった人々でした。

特に鄧小平氏は「黒い猫でも白い猫でもネズミをとる猫に変わりはない」として、経済発展推進のためには、必ずしも共産主義の教義に囚われず、資本主義の手法をも取り入れようとする実務派でした。

しかし毛氏にしてみれば、旧体制を打倒したのは自分達だという強烈な自負があったにもかかわらず、新たな国作りでは出番が無くなり、リーダーシップ、影響力も徐々に低下していくことへの恐れがありました。

日本史で言えば、徳川幕藩体制を打倒した後の武士階級も同様の気持ちだったかもしれません。旧体制を倒して、新しい時代を作ったのは良いが、その後自分の活躍の場は非常に少なくなってしまったわけですから。

そこで毛氏が自らの影響力を取り戻すべく打ち出したのが文化大革命だったのです。鄧小平氏らは資本主義かぶれの「走資派」として退けられ、経済発展よりも共産主義革命の理念が優先される時代となりました。

多くのテクノクラートは追放され、所謂「走資派」の実績を破壊することが奨励されました。

さらに、毛氏への個人崇拝が強化され、彼の言葉を集めた「毛沢東語録」を盾にして、紅衛兵といわれる若者が破壊活動を主導しました。

毛氏は復権しましたが、破壊活動からは結局何も生まれず、文化大革命は毛氏が亡くなった1976年頃に終わりを告げます。その間に中国社会は混乱を極め、経済的にも完全に停滞してしましました。

その後は再び鄧小平氏が復権、文革推進派の江青女史ら「4人組」は追放され、再び走資派路線に入りました。その後、1989年の天安門事件など紆余曲折がありましたが、ほぼ鄧小平路線が踏襲されてきたわけです。

特に天安門事件後は、先進国の積極的な投資が中国の経済発展を後押しし、多くの日本企業も安い労働コスト、広大な市場を求めて中国へ進出していったわけです。

鄧小平氏による「ツメを隠した」猫かぶり路線が功を奏したと言えるでしょう。

今回の共産党大会は、これまでの経済発展重視路線への決別とも見えます。共青団出身だった胡錦涛元主席が大会の席から強制的に退去させられた映像(右上の写真参照)は、そのことを雄弁に物語っています。

報道を見る限り、習氏への個人崇拝は今後一段と強められそうです。また秀才、インテリ集団だった共青団は権力の座から追放され、李克強氏のような経済通も見当たりません。

さらに台湾統一に向けて武力行使も辞さないということですので、今後は戦争の可能性も含めて、文革時代のような混乱期に再び入りそうな気配です。

この度、富士フィルムホールディングスが上海の工場を閉鎖するとのニュースがありました。

これまで日本企業は競って中国に進出しましたが、今後はイデオロギー色、統制色が強まり、これまでのような順調な経済成長は望めなくなりそうです。

如何に傷を少なくして、脱中国を成し遂げるかが今後の日本企業の課題となるかもしれません。

ところで、習主席は1953615日生まれですので、九星気学では二黒土星という星になります。

この星は40歳を過ぎて力を発揮する遅咲きの星ですが、地味ながらじっくりと良い仕事を進めるという特徴があります。日銀の黒田東彦総裁、日本電産の創業者である永守重信氏がこの星です。

習氏の二黒土星は昨年は「停滞運」(不測の事態が多く、ツイていない時期)と言う衰運の時期だったのですが、今年は「整備運」に入り、安定感を取り戻しつつあります。

さらに来年は「躍動運」、再来年は「福徳運」と運気が徐々に強まるサイクルに入っています。

それは、習氏がやりたい放題できる時期がしばらく続くことを意味しており、そうであれば、経済音痴の習氏の独裁で、混乱が長期化することも予想されます。

二黒土星の人とは:1917年、1926年、1935年、1944年、1953年、1962年、1971年、1980年、1989年、1998年、2007年、2016年の各年の立春以後、翌年の節分までに生まれた人。

九星気学について


クリックして応援をお願いします。