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映中のシン・ウルトラマンがかなりの人気を博しているようです。

まだ私は見ていなませんが、ウルトラマンシリーズの前身であるウルトラQからも多くの怪獣が取り上げられているとのこと。

ぺギラやパゴスといった人気怪獣の他、ラルギウス、マンモスフラワーなどあまり知られていないマイナーな怪獣も出ているというのは古くからのファンにとっては嬉しい話です。

怪獣映画を見始めたのは1964年の「三大怪獣、地球最大の決戦」が最初でした。キングギドラがデビューを飾った映画です(怪獣はゴジラなど4体でてくるのですが、何故「三大怪獣」となっているのか今でも不思議に思います)。

それまでもゴジラなどが出てくる怪獣映画は多くありましたが、キングギドラの三つ首の造形をみて、どうしても見たくなったのでした。

その後「ウルトラQ」という番組がテレビに登場しました。今見返してみると空想科学特撮番組なのですが、後に出てくる本格怪獣映画であるウルトラマンへ移行する萌芽もみられます。

ただ、ウルトラQに出てくる怪獣は、モグラが巨大化したモングラ―、ゴリラが巨大化したゴローなど、動物が単に巨大化したものが多かったという印象があります。

それでも、大好きな怪獣が毎週、しかもテレビで見られるというのは子供の自分には非常に嬉しいことでした。それまでは怪獣が映画で見られるのは正月休み、夏休みなど年数回に限られていたからです。

ウルトラQの後に出てきた「ウルトラマン」では本格的な怪獣番組となっていきます。今見ても、非常にCreativeな造形の怪獣が多いのに驚かされます。バルタン星人、レッドキング、ゼットンなど、その後長く続くウルトラマンシリーズに頻繁に登場することになるスター怪獣も多く誕生しました。

その後「ウルトラセブン」が登場、敵役は怪獣から宇宙人に写りましたが、エレキングやメトロン星人などのスターが生まれました。

1970年代に入って「帰ってきたウルトラマン」でウルトラマンシリーズが再ブレイクします。

その後は「ウルトラマンエース」「ウルトラマンタロウ」「ウルトラマンレオ」とシリーズは1975年3月まで続きました。

1973年3月に終わるウルトラマンエースまでは、ほぼ日本経済の高度成長期に当たっています。

その後、日本を襲ったのが1973年秋の第一次オイルショックです。その前年に田中角栄総理主導の日本列島改造計画で膨れ上がっていたマネーの影響もあり、狂乱物価と言われる超インフレ状態に陥りました。

消費者物価は1973年に前年比11.4%、74年には22.5%も上昇しました。物価上昇懸念が強まりつつある現在の物価上昇率はプラス2.1%程度(4月)ですので、当時の物価上昇のすさまじさが想像できます。

トイレットペーパーや洗剤の買いだめ、買い占めが横行し、それがインフレに拍車をかけました。このオイルショックで、長く続いた高度経済成長(いざなぎ景気)は完全に息の根を止められてしまったのです。

ウルトラマンも無傷ではいられませんでした。資材価格の高騰もあり、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンレオに出てくる怪獣が目に見えて劣化してきたのです。

メフィラス星人などのかつてのスター怪獣も再登場してきましたが、初代(一番上の写真参照)に比べても目を覆うばかりにひどい造形で唖然とさせられたのを覚えています(下の写真参照)。

番組を作る側からすればかつて人気のあった怪獣を再登場させて、人気を維持しようとしたのかもしれませんが、あまりに無残な造形となったかつてのスター怪獣を見るのはファンとしてはつらいものがありました。

メフィラス星人といえば、初回登場の時にはウルトラマンと引き分けたほどの実力者です。「これなら再登場させない方が良かった」とさえ感じたものです。

ウルトラマンシリーズは視聴率の低下もあり、ウルトラマンレオをもってしばし休止となりますが、コスト高騰などによる怪獣の劣化も大いに影響していたと思います。

しかし1980年頃からウルトラマン80が登場、その後、ウルトラマンシリーズは脈々と続き、隆盛を極めました。

ウルトラマンティガ、ダイナ等々-今となっては何人のウルトラマンがいるのか数えきれないほどです。

怪獣の質も大幅に改善されて、かつてのファンとしても嬉しく感じたものです。また新怪獣もよくできており、製作者側の努力にも敬意を払わずにはおれません。

今は、かつてのように熱心にシリーズを見ているわけではありませんが、今でもウルトラマンに愛着はあります。

現在、原油などの資材価格が高騰しています。それに円安が拍車をかけています。

その影響を受けて、ウルトラマンシリーズに出てくる怪獣が、かつてのタロウ・レオの時代のように、劣化してしまうのではないか-というのがちょっと心配です。


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