野党が「桜を見る会」をネタに攻勢をかけ、国会が空転しているようです。その影響で安倍内閣の支持率もやや低下しています。

立憲民主党の枝野幸男代表は「解散せざるをえないくらいに追い詰めていかないとけいない」と発言していますが、この問題が解散・総選挙に値するほどのものとは私には思えません。もっと議論すべき問題が他に山積していると感じるのですが。

また枝野氏はじめ野党側も、この問題が解散・総選挙に結び付くと本気では考えている人は少ないのではないでしょうか。

しかし追及されている安倍首相はといえば、野党側の追及はまさに「渡りに船」と感じているかもしれません。野党側の攻勢を逆手にとって本当に解散・総選挙に打ってでる可能性があると感じます。

安倍首相は1954年9月21日生まれですので九星気学では一白水星という星になります。このブログでも散々指摘してきましたが、この星は非常の政治家に向いています。安倍首相の在任期間が過去最長となったとのことですが、まさに一白水星ならではという感じです。

この一白水星ですが、今年(来年の節分まで)は「嬉楽運」(人脈を強化して足元を固める時期)となっています。どちらかと言えば運の良い時期にあたります。

しかし来年に入ると「改革運」(無駄と無理に注意すべき時期)に入り、運気にやや陰りがでてきます。ですので解散・総選挙をやる時期としたは今年中、つまり12月か1月が有力となりそうです。

選挙とかスポーツのような一発勝負の場合は年よりも、月の運勢が大きな影響を持つことが多いのですが、12月の一白水星は「調整運」(物事を冷静に判断し調整すべき時期)に当たっており、運としては弱めの時期と言えます。

しかし1月は「強勢運」(勇気と信念でチャンスに恵まれる時期)と、非常に強運の時期に入ります。

ですので、安倍首相は12月衆議院解散、1月総選挙というシナリオを描いていると感じます。

ちなみに前回の衆議院選挙が実施された2017年10月も一白水星の安倍首相にとっては「強勢運」に当たっており、与党が圧勝しました。

一方、首相が選挙時期を自由に選ぶことができない今年7月の参議院選挙では自民党は議席を減らしています。この月は一白水星にとって「評価運」(努力の花が咲くが、後半が不安定な時期)に当たっており、あまり強い運気ではありません。

安倍首相がこうした自分の運気を理解しているのかと言えば、勿論理解しているでしょう。安倍首相や麻生財務相というような歴代の政治家の家には、必ず運気をみるアドバイザーがいます。

政治家でも企業人でも「位人臣を極める」ようになると、まわりは自然にイエスマンが増えて客観的な判断ができにくくなります。気軽に相談できる人も少なくなるでしょう。大平正芳元首相には神道系の金光教の先生がアドバイスを与えていたことが知られています。

こうした状況を考えると、足元の膠着状態を脱して、一気に念願の憲法改正への道筋をつける手段として、直近の解散・総選挙は首相の頭の中で徐々に大きな位置を占めていくのではないでしょうか。

ですので野党が桜問題をことさらに大きな問題として取り上げれば、安倍首相を追い詰めるどころか、かえって首相に利用され「やぶへび」になる可能性もあります。

いざ解散・総選挙となれば、揚げ足取りだけでは勝つことはできません。当然、経済、外交など難しい問題も争点となるはずですが、今の野党側にそうした問題への対応力があるのでしょうか。

また野党が追及する桜問題ですが、与党側はことさら守勢に回り、沈黙を守っているのも不気味です。民主党が政権を取っていた時代にも似たようなことが行われていたと思われますが、選挙に入った途端に、野党側のスキャンダルが噴き出す可能性もあります。

実際に解散・総選挙となれば、野党側により大きな被害がでる可能背もあります。それを枝野代表をはじめ、野党側も十分に承知しているでしょう。

しかし「どうせ解散・総選挙は無い」という前提のもとに、安心して追及を続けていると思われますが、落とし穴に注意が必要と感じます。

これには似たような前例があります。1980年に大平元首相のもとで行われた所謂「ハプニング解散」です。

当時、最大野党だった日本社会党を中心とした野党3党が大平内閣不信任案を提出しました。もちろん、野党側も不信任案が成立するとは考えておらず、本会議では、与党自民党が粛々と否決すると見ていました。つまり、選挙民向けのパフォーマンスをしたかったということです。

ところが実際に本会議を開いてみると、自民党内の福田派(今の安倍派)をはじめとする反主流派が欠席したために、不信任案が成立してしまったのです。野党の目算は大きく狂ってしまいました。

大平首相は、こうした事態をある程度予想していたのか、粛々と衆議院を解散、総選挙に打ってでました。

選挙の結果は、野党の準備不足に加えて、選挙期間中の大平総理の急死が同情票が集めたこともあって与党自民党の大勝となりました。

野党側は惨敗となりましたが、そういう野党側にも「名将」はいました。当時、不信任案を社会党とともに提出した民社党の春日一幸顧問です。春日氏は、選挙前の自民党内の主流派・反主流派の動向から、下手に不信任案を提出すれば、本当に成立してしまう可能性があるとして、提出に強い警戒感を抱いていました。

しかし当時の野党3党は春日氏の警告を容れることなく、破滅への道をひた走ってしまいました。今思い出しても、当時の春日氏の政治家としての嗅覚には驚くべきものがあります。

現在の野党にしても今の「イケイケ」だけでよいのか、立ち止まって過去の事例を冷静に分析することも必要ではないのかと思えます。でなければ、政治センス抜群の首相の術中にはまり、いたずらにハプニング解散の愚を繰り返すことになりかねません。

一白水星の人とは:1918年、1927年、1936年、1945年、1954年、1963年、1972年、1981年、1990年、1999年、2008年、2017年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。

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