今年(亥年)に行われる選挙では与党自民党は大敗する、元号が変更された年に政権の座にあった者は、ほどなく退陣を余儀なくされる―というようなジンクスとも見えるような話が最近よく聞かれます。

気学的にみると、こうした話は必ずしも荒唐無稽ではなく、あり得る話だと思います。安倍首相も警戒が必要でしょう。

こうした話の根拠として挙げられるのが、12年前、やはり亥年の2007年に行われた参議院選挙です。自民党が大敗し、その後、当時の安倍首相(第一次政権)は体調不良もあり、退陣に追い込まれました。

今年は同じ亥年の参議院選挙。しかも同じ安倍首相ということで、同じ退陣パターンが繰り返されるのではないか-との話が出ているわけです。

最近の安倍政権の閣僚の相次ぐ辞任も、与党自民党が選挙で惨敗する―という見通しに現実味を与えています。2007年の春も、現在と同様の辞任ドミノがあり、それが選挙で与党の足を引っ張る要因の一つとなりました。

しかし2007年の自民党敗退の決定的要因になったのは所謂「消えた年金」の問題です。巷では、2007年の消えた年金に対応するのが、今回は統計の不正問題だ-とする意見もあります。

しかし統計の不正の話は、一般の人々の財布に影響を与えるような大きな話ではありません。官僚の無責任さは糾弾されるべきでしょうが、一般の人々が説明を聞いても容易に理解できない専門性の高い問題、いわばオタク的な問題です。

長年にわたり経済統計を見てきた私が見ても、これまでの景気判断や予算配分に影響を与えるような大きな話ではありませんので、2007年の「消えた年金」並みの大きなインパクトは無いとみられます。

ただ安倍首相が警戒すべきなのは、今年の運気が、2007年の運気に似かよっているということです。

安倍首相は1954921日生まれですので、九星気学では一白水星という星になります。この星は非常に政治家に向いていて、列島改造論の田中角栄元首相、行政改革の中曽根康弘元首相、そして政治感覚抜群の小泉進次郎氏も同じ星です。

この一白水星は今年は「嬉楽運」(人脈を強化して、足元を固める時期)に当たっています。悪い運気ではありませんが、昨年ほどの勢いはありません。

一方、安倍首相の2007年の運気は「福徳運」(誠意と熱心さで万事が好調の時期)で、今年よりも強い運気でした。年の運気だけみると、安倍首相にとって今年の選挙は2007年よりも厳しいということになります。

しかし、このブログでも何度か指摘してきたように、選挙とかスポーツとかの「一発勝負」の場合には、月の運気が、年の運気より大きく影響することがあります。

今年7月の一白水星の運気は「評価運」(努力の花が咲くが、後半が不安定な時期)となっており、あまり強い運気ではありません。野党側の力量にもよりますが、選挙戦での苦戦が予想されます。

では2007年の7月はどうかというと、同じ評価運でした。やはり今回も選挙が7月にあるならば、安倍首相にとっては厳しい状況ということに変わりはありません。

先ほど、統計の問題は「消えた年金ほどの大きなインパクトは無い」と指摘しましたが、消えた年金並みの大きな影響をもたらすような問題が今後浮上する可能性は皆無とは言えません。

消えた年金の問題が発覚したのは、20075月、安倍首相が「嬉楽運」の時でした。今年についても、首相が喜楽運に入るのは5月です。ですので、5月に何らかの大きな問題が浮上するか否か、大いに気になるところです。

かりに、この5月に消えた年金問題並みの大問題が発覚すれば、2007年のパターンを踏襲する可能性が高くなるでしょう。また、それに対して、安倍首相が衆参同日選挙に打って出る可能性も高まると見られます。

ところで選挙と言えば、その中心となるのは各党の幹事長ですが、その運気も選挙に大きく影響するとみられます。

現在の自民党の二階幹事長は1939217日生まれですので、七赤金星という星になります。この星は金運に恵まれており、ソフトバンクの孫正義社長やウォーレン・バフェットなど億万長者が比較的多い星です。

この七赤金星は今年は「福徳運」で絶好調にあります。また選挙が予想される7月は「強勢運」(勇気と信念でチャンスに恵まれる時期)で、やはり非常に強い運気です。

2007年選挙時の幹事長は中川秀直氏でした。中川氏は194422日生まれですので、三碧木星という星です。若い時期から頭角を現す早咲きの人が多いのが特徴で、政治家では小池百合子知事、プーチン・ロシア大統領がいます。

中川氏は2007年は強勢運で、今の二階幹事長同様の強い運気でした。しかし同年7月の運気は「整備運」(基本を守り、信用第一に動くべき時)で、あまり強くありませんでした。今年7月の二階幹事長の強勢運に比べれば弱いと言えるでしょう。

こうして幹事長の運気を見てみると、今年の方が2007年よりもむしろ強いと言えます。

もう一つ、野党第一党、立憲民主党の枝野代表の運気を見てみましょう。同氏は1964531日生まれですので、九紫火星という星になります。闘争に強く政治家向きであり、同じ星にトランプ米大統領、ビートたけし氏、吉田沙保里氏などがいます。

この九紫火星、今年は強勢運で非常に強い運気です。ただ選挙が予定される今年7月の運気は「改革運」(無駄と無理に注意すべき時期)で、あまり良くはありません。

こうしてみると、今年の参議院選挙を占ううえで注目されるのは、5月頃に、2007年の「消えた年金」並みの大きな問題が浮上するか否かでしょう。もし出てくるようであれば、安倍政権が2007年の二の舞いになり、今年中に退陣する可能性は高まると見ます。その場合、衆参同時選挙になる可能性もありそうです。

これまでに言われているジンクスと九星気学を元に、参議院選挙の行方を考察してきましたが、ジンクスというものは時として、とてつもない幸運児によって破られることがあります。

例えば不知火型の土俵入りを選択した横綱は不運に泣く―というジンクスが長くありましたが、これは横綱白鵬によって破られました。

また1980年とか2000年とか、最後の数字がゼロの年に選出された米国の大統領は任期を全うできないというジンクス(リンカーン然り、J.F.ケネディまた然り)がありましたが、これも希代の幸運児、ロナルド・レーガン大統領によって破られました。

レーガン氏は一期目に銃撃を受けましたが、大統領として無事に28年を全うしました。また2000年に選出されたブッシュ(ジュニア)大統領も8年の任期を無事にやりとげています。

安倍首相もこれまでのところ、非常に強い運気に恵まれているようにみえますが、上で述べたようなジンクスを克服できるのか否か、注目されます。

九星気学でみた運気のイメージの以下の通りです。

一白水星の人とは:1918年、1927年、1936年、1945年、1954年、1963年、1972年、1981年、1990年、1999年、2008年、2017年の各年の節分以後、翌年の節分の前日までに生まれた人。

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