※大平正芳元総理

例外ではない朴大統領

—韓国では朴大統領の弾劾問題で大揺れの状況です。実業家であり宗教家でもある崔順美氏に対して、大統領が国家の機密情報を漏らしたことが問題となっています。

—しかし、大統領や首相という頂点に立つ政治家が、その周りに多くの助言者、アドバイザーを抱えることは、自然なことと思われます。国政レベルの重大な案件を日々決断しなくてはなりませんが、決断を誤れば、国の土台を揺るがすような事態に陥ることも有り得ます。孤独のうちに、重大な決断をしなくてはならない時も少なくないでしょう。大変なプレッシャーです。

—そう考えると、国政のトップが抱える助言者については、政治や経済の専門家に限らず、メンタル面、スピリチュアル面でアドバイスする人物がいても至極当然なことに思われます。それが宗教関係者である場合もあるでしょう。こうした点においては、朴氏だけが例外というわけではありません。

—吉田茂、池田勇人、佐藤栄作・・かつての総理経験者が、思想家・陽明学者の安岡正篤氏を師と仰いだことは有名です。また米国のロナルド・レーガン元大統領については、ナンシー夫人が占星術で大統領を支えたことは当時も良く知られていました。結果論ではありますが、レーガン氏は今では最も偉大な大統領の一人に数えられています。

※安岡正篤氏

驚き無かったAska氏の再逮捕

 —このブログでは、しばしば気学を取り上げてきました。経済ブログという建前からすれば、奇異に感じられる方もおられると思います。簡単に気学との出会いについて触れておきたいと思います。

—大分前になりますが、金融経済を分析する外資系の会社で、日本支店長として勤務していたことがありました。平成元年に、コンピューターの専門家を雇ったのですが、その人が経歴を詐称していたうえに、パソコンの機材を会社に無断で購入、会社に損害を与えました。加えて、新オフィスへの移転交渉でも疲労困憊してしまい、肝臓も悪化して、1カ月以上にわたり入院を余儀なくされました。まだ若かったこともあり「自分だけが何故こんなにツキがないのか?」と当時は不思議に思ったものです。

—その後、たまたま気学に詳しい人物に会う機会があり、話を聞くうちに、私の疑問・不満は徐々に氷塊していきました。運命に大きな影響を与えるが、目に見えない存在を認めざるを得なくなりました。今では、日常生活に不便を感じない程度に、気学による運の流れに注意しています。ところで、ミュージシャンのAska氏が薬物使用で再逮捕されましたが、薬物の常習性を割り引いても、六白金星という彼の星を考えれば、特に驚きはありませんでした。

※自民党戦国史

宗教指導者に頼った大平元総理

—手元に「自民党戦国史」(1982年初版)という本があります。所得倍増論を打ち上げた池田勇人元総理の秘書官を務めた伊藤昌哉という方の著作です。伊藤氏は後に大平正芳元総理の政治指南役としても活躍されましたが、この本では、大平元総理が1980年の選挙のさなかに急死するまでの、伊藤氏・大平氏の行動、心の動きを描いているのですが、驚くべきは、宗教指導者が頻繁に登場、大平氏・伊藤氏に助言を与えている場面が克明に描かれていることです。

—大平氏はクリスチャンとして知られていましたが、この本によると、神道の一派である金光教の金子先生という方が助言していたようです。1982年と言えば唯物論全盛の時代。今と違って、目に見えないもの、スピリチュアルなものへの理解がほとんど無い時代です。そうしたことを大の大人が語れば「変わり者」というレッテルを貼られて疎外されかねない時代だっただけに、宗教指導者との会話がしばしば登場する本の内容に大いに衝撃を受けたものです。

—簡単に当時の大平内閣の状況を説明すると、1979年に大平総理は衆議院選挙に臨みますが、消費税導入を掲げたこともあって惨敗します。その後、自民党内で福田赳夫元総理、三木武夫元総理など非主流派が反旗を翻し、いわゆる「40日抗争」に突入します。

—大平氏はなんとか持ちこたえますが、1980年春に野党が提出した内閣不信任案に自民党非主流派が乗ったことで、不信任案はまさかの可決!大平氏は衆議院を解散、衆参ダブル選挙に打ってでます。

—「自民党戦国史」によると、大平氏が不信任案可決に直面したことについて、金光教の金子先生は「大平さんは驕りですよ。おれがやっているのだ、と思ってしまったのです」と大平氏に精神面での反省を促します。

—その後、5月30日の選挙運動中に大平氏は体調不全から入院、6月9日には伊藤氏は岡山の金光教本部に参拝。ここで伊藤氏の言葉:「この日夜、私は何度も祈念を繰り返した」「13年前、心臓病になり死ぬところを金子先生の取り次ぎ(記念)で助かった経験がある」。

—6月11日:伊藤氏は大平氏を病院に見舞います。ここで大平氏の発言:「神さまから、身の扱いに気をつけろ、といわれた」。これに対して伊藤氏は「いちばん大切なことは、あなたの心を問題(ダブル選挙など)から引き抜いて、わが心を神に向けることだ」とスピリチュアルなアドバイスをします。

—さらに伊藤氏は「私は今日から、つたないながら金子先生のマネをして、あなたの重荷を背負うつもりだ。少しずつ背負うから、あなたも少しずつ元気になるだろう」と祈念することを約束して、病院から退出します。

—大平氏は、伊藤氏の祈念もむなしく6月12日の未明に亡くなります。選挙の方は大平氏への同情票もあり、自民党が大勝します。ここで注目すべきは「一瞬先は闇」と言われ、スキを見せれば、いつでも足元をすくわれるような政界に身を置きながらも、大平氏がこうした神様談義に貴重な時間を費やしていたことです。国政のトップにある者が、いかにメンタルな面、スピリチュアルな面を重視しているかが良く分かる話です。

—各国のトップ政治家、特に核保有国のトップには、良き助言者・アドバイザーが付いて欲しいと願うばかりです。

本日もお付き合い、有難うございます。